「遊園地に行こう!!」
〜春よ来い〜

 

春もうららかな平日の暖かな朝。
その日、Zi学園3年生は毎年恒例の春の遠足の日であった。
目的地の「Ziーデニーランド」に到着すると、
人数の確認と簡単な注意の説明があり、班ごとに解散となった。

「きゃあああああっ♪
遊園地ゆうえんちユウエンチ〜!!♪♪」

ひときわ高いはしゃぎ声をあげたのは、3年C組のジュジュであった。
あっちこっちをきょろきょろしては、はずむ足取りでかけていく。

「ジュジュさん、あまり駆けると転ぶ危険が・・。」

班長のホークが行った矢先に“どて。”と転ぶジュジュ。

「何やってんだ、お前は。」

はしゃぎ過ぎの彼女を見て毎度の事ではあるが、あきれるケインがいた。

「はっはっは。うちの部長は元気だね〜。」

のんきそうにつぶやいたのは、なぜか大学生なのにこの遠足に参加しているルーク。
現在、ジュジュが部長をしている報道部の元・部長である彼は、卒業後もちょくちょく部室を訪ねてくる。
つくづく・・・大学の授業、ちゃんと出ているのか謎。

「ルーク先輩、今日は大学の授業はないんですか??」

「細かい事は気にしない気にしない。
今日は俺がカメラマンをやるから、たまには思いっきり楽しんでおいでよ〜♪♪」

「えっ?!本当にっ?!
わ〜い!ありがとうございますっ!
絶叫マシーン乗りまくりよっ!!」

言うなりすたこらさっさと駆けていってしまったジュジュを、ホークとケインが追いかけていく。

「ジュジュさん、あまり離れると迷子になるぞー!」

平日で人の入りは穏やかとはいえ、この遊園地は広い。

「お前、方向音痴なんだからじっとしてろー!!!」

そんな様子を後ろから見てルークがニヤリ、と微笑んだ。

「楽しくなるといいなあ〜。あっはっは。」

ジュジュの家は両親が海外出張の為、長い間従弟と飼い猫1匹と飼い犬4匹で、二人と五匹暮しをしている。
生活が色々と忙しいので、こういう所に遊びに行った経験がない。
そういうわけで、今回のジュジュのはしゃぎっぷりは、かなりハイテンションに高まっていた。

「やっぱり最初はジェットコースターよねっ!!
皆行くぞー!!!」

あまたの遊園地の中でも一際怖いと絶賛されるここのジェットコースター、その名も「デッド オア アライブ」。
毎年、多くの失神者とジェットコースタージャンキーを生み出す事でも有名である。

ゴオオオオオオー!!!グオオオオオー!ゴオオオオオオー!!!!

 

「ひゃほーーーーーーーい!!♪
風が気持ちよかったー!!!」

「あっはっは、ジュジュちゃんは絶叫系は平気かぁー。
最近のジェットコースターは見てるほうも怖いよなあ。
迫力満点で。」

「一発目からこれかよ・・・。」

「次、あれがいいー!!
あれに行こう!」

ジュジュが指さしたのは「ブルーシップ」という、
いわゆるブランコのように前後ろにぶんぶん動く、船の形の乗り物であった。

ぶーん、ぶーん、ぶーん。ぐおん、ぐおん、ぐおん!!
ぶおーんっ!ぐおーんっ!

 

「うっわ〜!安全バーから体抜けそうでドキドキしたー♪」

「ジュジュちゃんは細くて小さい体だしね。
ところで、スカートの下にスパッツなんてはいてたんだ。
準備は万全って事だね。」

「一体どこを見てるんですか・・・。」

「・・・・おい、次は歩くやつにしようぜ。
あれなんかどうだ?」

そういってケインが指さしたのは、「鏡の迷宮 ミラーハウス」であった。

 

「辺り一面、鏡だらけだなあ・・。
ちょっと、眩しいかもな。」

天井と壁に張り巡らされた鏡に無数に映る自分を見て、ホークが言った。

「おーい、皆いるかー?
・・・・・って、ジュジュがいねえっ!!」

ケインが振り返ってみると、一名の姿が忽然と消えていた。

「あっはっは。さっそく彼女の方向音痴が発揮されてしまったようだねえ。」

ルークがいともさらっと簡単に言うが、これは結構大事である。

「おーい、皆どこー?
通路がわからないー!」

ジュジュの声が聞こえ・・・続いて、“がん!”“ごん!”“がん!”と鏡にぶつかりまくる音が響いてきた。
これぞミラーハウスの醍醐味。(そうなのか?)

「なんだったら直進しておいでよ。
いつかは外に出るさ。」

「そんな事言うんじゃねえ・・。
まじで破壊しかねんぞあいつ。」

ルークにケインが突っ込んでる間に、声を頼りにホークがジュジュを見つけて連れて来た。

「助かった〜。
さすが班長ね。
ありがとうホーク。」

「いえ。どういたしまして。
これから先、はぐれないで下さい。」

「別に班長かどうかは、関係ないと思うが・・。」

 

さて、ミラーハウスを脱出した後彼等はメリーゴーランドとゴーカートをして、次に「パニックタワー」へ向かった。
上に昇って一気に落下するアトラクションである。
3回のバウンドつき。

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・かたん。
ゴー−−−−−−−−−−!!グワーーーーーーーー!!

「うわあ〜気持ちよかった〜♪
おっきなエレベーターって感じね♪」

「いやあ〜一番上から見る風景は正に絶景だったね。
エレベーターが落下する時ってああいう感じかなあ。」

「縁起でもないものに例えるな。」

お昼のランチタイム。
各自持参したお弁当をぱくつきながら午後の予定を立てていた。

「さて、午後はどこに行く?」

「そういえば、ホークはどこか行きたいところないの?」

午前中はジュジュとケインが行き先を決めていて、一度もホークから出ていないのである。

「一つ、行ってみたい所があるけど・・。」

「じゃあ、そこから行ってみようぜ。」

・・・・と、三人が話しているのを聞きながら、ルークが心の内でとある計画を立てていた。

「・・・さーて、どーやって“あそこ”に連れて行こうかな?」

果たして、“あそこ”とはどこの事か?
高校生三人に魔の手が忍び寄る!(かもしれん)

 

午後はホークの希望で「シューティングコースター・ジュラシックバスターズ」へ直行した。
4人のりのコースターに乗り、コースを走りながら、
備え付けの銃で出てくる恐竜を撃って高得点を狙うというものである。
ホーク達がコースターの順番を待っていると、聞き覚えのある声がした。

「っも−!!マジで信じらんないっ!
デネブもティクスも射撃ちょー下手っ!!
上手いのシュダだけじゃんっ!!」

「お前だって人の事言える点数かよっ!
・・・ちっくしょーアルがいればなあ。」

「僕は無闇な殺生は好まないのでね。
獰猛な恐竜といえど命は命、銃を向けるなんてできないさっ・・・。」

「あーもう、いいわけなんか聞きたくないわっ!!
だったら食われちゃえっ!」

「・・・・うるせえ。
しゅ〜・・・。」

3年B組のシュダとデネブとルールーとティクスである。
彼等4人は班を組んでるらしい。
・・すごいメンバーである。
コースターから降りてきたと言う事は、ゲームを終えてきたのだろう。
結果はかんばしくなかったらしい。
ジュジュはデネブと家が隣なので、彼に声をかけてみた。

「デネブー!どうしたのー!
このゲーム難しかったー?」

「あ、姐さん?!
いやー、マシンガンなら一発なんですけどねー!」

ケインはシュダに声をかけてみた。

「よう、シュダ。
ゲームは楽しかったか?」

「・・・5匹、撃ち逃した・・・・
しゅ〜・・・・。」

・・・・かなり、くやしそうである。
何事も粘り強く真剣な彼は、どんな些細なゲームでも手を抜かない。
彼等が立ち去った後に順番がやってきて、前列はホークとケイン、後列がジュジュとルークとなった。
恐竜には青く光る的と赤く光る的の二種類があって、青が1点、赤が10点である。

「ねえねえ、これで一番高得点とった人が次の行き先を決めるっていうのはどうだい?」

ルークがスタート前に言った提案に、他の三人は「おうっ!」と返事した。
ゲームがスタートすると、とたんに白熱のバトルが展開された。
ディノ二クスの群れに襲われそうになるわブラキオサウルスに踏まれそうになるわ
プレラノドンが空から襲ってくるわ、メインは突進してくるティラノサウルスであった。
彼等のチームワークの結果、得点はホーク145点、ケイン142点、ジュジュ123点、ルーク148点であった。

「あっはっは、俺の勝ちだねー。
じゃあ、約束どおり次のリクエストに行ってみようかー♪」

彼のさわやか〜な笑顔に、なぜか悪寒の走るジュジュであった。
その予感は間もなく的中する。

 

「じゃ〜ん!「戦慄!お化け病院!!」ここに行ってみたかったんだよ〜!」

彼等の前にみるからにおどろおどろしい4階建ての病院型お化け屋敷が、どーんと姿をあらわした。
言葉もなくまっさおになったのはジュジュであった。
・・・彼女は幽霊などの怖いものは一切駄目であった。
ジュジュの心情を手にとるように把握したケインとホークは、重いため息をついた。
廃墟と化した病院をイメージしたこのお化け屋敷は迷路もかねていて、
三つの入り口からどれかを選んで入っていくというものである。

「すごいんだよ〜ここのお化け屋敷ってね、ハリウッド並みのメイクと特殊効果で人気なんだって。
入り口が三つあるし、ここは君達に競争してもらおうかなあって思うんだ〜♪
何でも、二時間迷ったあげくお化け役のアクターさんに同情されて
出口を教えてもらったって人もいるくらいだってさ。
ジュジュちゃんは絶叫系は大丈夫だよね〜?」

「・・なんで笑顔でそう言う事言うんだ・・・。
俺とホークは別にいいが、ジュジュはやめてやれ。
出て来れなくなるぞ。」

「わ、私はそろそろおみやげ買いたいな〜。
私が好きなのは速くて落ちたり動いたりするやつだし・・・・。
あ、あはは。」

「危険を省みず飛び込んで、真実を掴み取ってくるのも立派な記者のつとめだよ、ジュジュちゃん。
行っておいで。前部長からの命令。(にこ)」

ぽん、と肩を叩いて爽やかに微笑むルークに、ジュジュは涙ながらに訴えていた。

「取材忘れて遊んでいいって言ったじゃないですかっ!!!」

「俺は“たまには”と言ったけど全て、とは言ってない。記者魂の見せ所だよ。」

あれが前部長かよ・・・・。とため息をつくホークとケイン。

「お化け屋敷って言ったら、やっぱ女の子の悲鳴は不可欠だし。
というわけで、ジュジュちゃん、お先にいってらっしゃ〜い♪」

ルークはひょいっ!とジュジュを持ち上げると、真ん中の扉にぽーんと放り込んで、ばたん、と扉を閉めた。
中からジュジュの叫び声が聞こえ、どんどんと扉をたたく音がした。

「いやあああああっ!開かないーーーーーー!!!
開けてええええぇぇぇぇっ!!!」

「そっから出たかったら、出口を見つけるしかないよー?
がんばってねー♪」

「ひどい事を・・・。」

「あれあれ〜?
ホーク君もケイン君も、こんな所でのんびりしてていいのかい?
彼女見つけないと、俺らの班は帰れないよ?」

ルークの言葉を聞いた途端、ケインは右の扉に入っていった。
続いて左の扉に入ろうとしたホークをルークががっしと掴む。

「な、何ですか一体っ?」

「あっはっは、君は俺と一緒に行こうか。(にこにこ)」

「ジュジュさんを探さないといけないでしょうっ!
なに考えてるんですかっ?!」

「考えてるさ、ちゃーんとね♪
・・なーに、彼に任せておけばいいってことさ。(その方が面白いし♪)」

 

ケインは入り組んだ通路を駆け、
飛び出す患者と医者のお化けたちと絶叫と悲鳴を後にあちこち探し回るが、ジュジュの姿はどこにもなかった。

「こっちにもいない。
・・・もしかして、出口を見つけて先に出たと言う事も・・・。
いや、それは不可能だな・・。」

ふと浮かんだ考えを即座に否定する。
・・・途中でうずくまってる可能性の方が高い。
しかし、各所で聞こえる悲鳴やうめき声を聞けど、ジュジュのものらしき悲鳴はみじんも聞こえてこない。
・・声も出ないくらい、疲れ果てたのか・・?

「はあ〜・・・・いるなら返事しろっ!!
ジュジュ、出て来いっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ケイン?」

かすかに声がしたので振り返り、
よ〜く見てみると、並べられたベッドの下からジュジュがおそるおそる顔を出した。
・・・どー考えてもコースから外れまくっている。
そーとー怖い思いをしたのだろう。
涙で顔がぐしょぐしょで怯えまくっている。

「・・・お前、なんでそんな所にいるんだよ・・?
さんざん探したぞ・・。」

「うっうっう〜・・・。
のこぎり持った医者とか髪を振り乱した看護婦とかに追いかけられて〜・・
逃げ込んだ部屋で首なし患者に首渡されそうになって〜
霊安室でゾンビの大群に追いかけられて、通路で包帯男に捕まりそうになって、
標本室の骸骨と人体模型が笑っててぇ〜・・・・
あたり一面血まみれの部屋はあるしロッカールームから変な音するし、
医療器具が空飛んでるし部屋のあちこちで悲鳴するし・・
夢中で逃げてたらつまずいてここに滑り込んじゃったの・・・・。」

そーいやそんなもん、いたなーとケインはぼんやり思い出していた。
はっきり言って探す方に気をとられてたので、お化け達の方はまるで見てなかった。

「・・・・・・そりゃ、大変だったな・・・。
じゃあ早く、ここから出るぞ。」

「・・・・・・・・・・・お化け、いない・・・?」

「(ここには)いねーって。」

お化け屋敷だから本当はいるんだが、こう言わなければジュジュは動かないだろう。
・・・はっきり言って、彼女は冷静な判断能力がほとんどなくなっていた。

「う〜・・・・お世話かけます・・・・。
ビットには言わないで〜えぇぇ・・・。」

「言わねーって。
・・・・ほれ、行くぞ。
皆作り物なんだから、そんなに怖がる事ねーだろ?」

「怖いものは怖い。」

ケインはビットから「姉ちゃんは怖い話は一切駄目」ということは聞いていたが、
これほど重症とは思わなかった。
“でも、そのことからかうと俺の顔がスプラッタにされる・・・。”とも、言っていたなー
というような事を思い出していた。
ジュジュはと言うと借りてきたネコのように、終始無言で大人しくなっていた。

(普段は根性座ってるのに、こういうのは免疫ないんだなーこいつ・・。)

と、その時横の通路から突然「ばあっ!!」と血まみれの顔をしたざんばら髪の医者が飛び出してきた。
その顔を真近でご対面してしまったジュジュはしばらくフリーズした後ー・・。

「きゃあああああああっ!!!!
いやー!いやー!
いやああああああっっ!!!」

「うわ、おいこら待てって!!」

血相を変えて一目散に通路を逆走した次の瞬間ー。

ごい〜んんんんんん☆☆

除夜の鐘の如き音を響かせて、彼女は近くの柱に頭を思いっきり・・・ぶつけた。
あまりの痛さにその場にうずくまり、動かずにいる。
そしてそんな様子を見て、これまた思いっきり肩を落とすケイン。

(こいつはホントに・・世話がかかる・・・。)

「・・・・・いたい〜ぃぃぃ・・・・・。
も〜やだぁぁぁぁぁぁ〜。」

「あんだけ勢い良くぶつかったら、当たり前だろが。
・・・・あのな、そんなに怖いんなら、目をつぶって来い。」

「目をつぶったら通路が見えないよ。」

「俺が引っ張って行くから、手ェ出せ。」

「・・・それって手をつなぐって事??」

「それしか方法ないだろが。
折角見つけたのにまたはぐれちゃ、いつまでたっても出られん。」

それに、怪我も増える。
お化け屋敷で倒れられちゃかなわない。

「・・じゃ、よろしくお願いします。」

迷子を連れてく親みたいだな、と思いつつ、ケインはジュジュを引っ張って出口へ向かった。
ジュジュは目をつぶって、時折聞こえてくる絶叫にびくびくしながらも、
一人じゃないので何とか耐え切る事が出来た。
今度は無事、出口まで出ることが出来た二人であった。

 

「おっかえり〜。
どうだった?お化け屋敷。
楽しかったかい?」

先に出口で待ち構えていたルークが突如二人の間に出てきた。
その後ろからホークが心配そうな顔をしてこちらを見ていた。

「二人とも、大丈夫か?
・・・スマン、ルーク先輩が邪魔して探せなかったんだ・・。」

「ああ、気にするな。悪いのはあいつだからな・・。」

ケインは騒ぎの元を引き起こしたルークをじろっと睨むが、
彼は異に介さずにジュジュの方にやってきた。

「ジュジュちゃんはどうだった?
うわ、何かすっごい怖い思いしたみたいだね。
ひどい顔だよ?」

「・・・ええ。
すっっっっごくっ!!大変でしたよっ!!ルーク先輩っ!!」

ぎろっ!と睨むとルークの服を掴んで思いっきり「ちーん!!」と鼻をかんだ。

「お返しですっ!!
あーのど渇いた!
自動販売機に行って、飲み物買ってきますっ!!」

そう言うとすたすたすた、と歩き出していくジュジュであった。
・・・・立ち直り、早い。
その様子を後ろから見て、ぷっ・・とホークが小さく笑った。
涙と鼻水をべちょーとつけられてしまった上着を見て、ルークはこう言った。

「うーん、見事にやられたね。
困ったなあ・・・
ホーク君、ハンカチ貸してくんないかな?」

「あいにくですが、お断りします。」

「じゃあケイン君、ハンカチ貸して。」

「断る。
・・・それくらい当然の代償だ。
こっちはもっと苦労したんだからな。」

「・・・みんな冷たいなあ。
他人が困ってたら助けるくらいの優しさがないといけないよ?」

・・・ルークが言っても、はっきり言って説得力、皆無である。
この後みやげ屋でおみやげを買い、集合場所へ向かい帰宅となった。
ジュジュは迷惑をかけてしまったせめてもの詫びにと、
ホークとケインの分も買った缶ジュースを、帰りのバスの中で渡した。

「ケイン、ホーク、お世話かけました。
・・・ごめんね。ありがとうございました。」

「「どういたしまして。(慣れてるから。)」」

彼等の二重唱に、苦笑するジュジュであった・・・。
こうして、遠足は無事に終わったのである。

 

後日。
遠足の時の写真が廊下に張り出されたのだが、
その中の一枚を見てジュジュとケインはあっけにとられた。

「これは・・・先輩、いつの間にっ?!!」

「ルークだな・・・・やりやがったな、あいつ・・・・。」

その頃、報道部の部室では顧問のゲイル先生とルークが和やかにお茶を飲みながら、
この間の遠足について話していた。

「いや〜ルーク。
よく撮れてるなあ。この写真。」

「まさに、仲良き事は美しきかな。だね。
俺はただ“現場”を写しただけですけど。」

「これで少しは、意識し始めるといいんだがな〜。」

「いや〜どうだろね。
恋愛に鈍い、疎い、経験がないの見事な3拍子がそろってる部長だからねーあっはっは。」

「あっはっはっはっは。まだまだ生温いかーあっはっはっは。」

・・・・部室には、彼らの笑い声がしばらく響いていた。
ちなみにその写真とネガは、ゲイル先生が持っているとかいないとか。

「お化け屋敷からちょーど手をつないで出てきた2人の写真」。
この写真が張り出され、二人がこの後影でどーいう噂を立てられたかは、おして図って欲しい。
ちなみに当の本人達はというと、
噂にさらに尾ひれに背びれにむなびれまでついた事は知るよしもなく。

「あんなみっともない顔を写真に取るなんて、ルーク先輩ひどいーーーっ!!」

「俺が泣かしたんじゃねえぞっ!
誤解するなよっ!!」

・・・・注目所と怒り所が・・・・・ずれていた。

 

「どーしてそう鈍いのよー!!!
私なんかまだジェミー君と手つないでないのにー!!」

「全く・・・まだまだだね。」

「その言葉、リッドお兄ちゃんにも言いたいけどね・・・・。」

ケインの弟と妹のリッドとシエラはこんな会話をしたとかしないとか。

 

結論。
まだ見ぬ春は、遠い。
さながら樹海のごとく、山あり谷あり海の果て空の果て。
ああ、真の春が来るのはいつの日かっ?!
・・・・それは正に、神のみぞ知る。(いや、神すら知らんかもな・・。)

END

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あとがき

こんにちわ!
自分の楽しい旅行経験を下地に書きました、遊園地遠足話!
高校生にもなって遊園地?とかそーいうつっこみは一切受け付けておりませんので(汗)
ご了承ください(大汗)
ラブラブ話?ぽいの作ってみたいなーと思ったんですが・・・駄目だった(爆)
この二人が手つないでも保護者の気持ちなんでしょうねー(ため息)
ジュジュは怯えまくってますし、一種の幼児退行起こしてますし(あまりの恐怖に)
ケインもリッドとシエラが怖いもの駄目だから、
こうやって手をつないだりしたのかなーと思うと、色っぽくなくなってしまう(汗)
すなわち、手ごときじゃだめかなっ?!って事でしょうね・・(あははははは)
でも、本人たちがどーだろうとこれでまた噂が強固足るものになるでしょう(笑)
他の人達がどーイメージするかですからー(他人事)
この二人の親友であり同級生のホークは、どう思ってるんでしょうかねえ・・・(むむむ)
ではなんか全全むちゃくちゃですが(汗)HAZUKI様、受け取って下さいっ!!(><)
失礼します!


初心者さんから頂きました。
はぁ、どうしてこの2人は・・・。
リッドとシエラもかなり呆れてますね。
こりゃ・・・、持久戦だな・・・。
さて、ホークは今回飛び火ですね。
あと、シュダ達も脇で賑やかしてましたし。
いつもながら、大いに笑わせていただきました。

 

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