「とある朝の光景」
〜黒と蒼の家〜

 

ジリリリリリ!!

目覚まし時計がけたたましい音を立てて鳴る。

「眠い・・・」

そう言いつつバシッと目覚まし時計を叩いて起きあがったのはシャドー。
こんな事を言っているが、彼は割と朝には強い方だ。

「えぇっと今日は・・・昨日仕損ねた掃除もしなきゃ。」

目を擦りながら、今朝やらなければいけないことを総チェック。
因みに、シャドーとレイヴン、それにリーゼとスペキュラーは同じ所に一緒に暮らしている。
つまり同棲中。
そして朝の家事はシャドーがこなしている。
彼が一番朝に強い。

さて、台所からおいしそうな匂いがしてくる頃・・・

「あ、おはようスペキュラー。」

「おはようシャドー・・・」

2番目に早起きなスペキュラーも起きてきた。

「朝食できたけど、リーゼはまだ寝てる?」

「うん、まだ寝てた。」

因みに、リーゼも寝坊しやすい方・・・
さて、スペキュラーも手伝い朝の仕事を一通り終えると、
スペキュラーはリーゼの部屋へ、シャドーはとりあえずレイヴンの部屋へ・・・
シャドーの結果は言わずとも分かっているが。

「レイヴン!もう朝だよ!!
またケイン部長に校庭を走らされるよ!!」

「五月蝿い・・・・・・」

頭まですっぽり布団に入るレイヴン。
揺り動かすが、払いのけられる。

「レイヴン、レイヴン!!起きてよ!」

いくらやっても効果無し。
いつものことである。

「これでもレギュラーなんだよな・・・」

シャドーは不思議に思いつつ、仕方なく部屋から出て制服で朝食をとる。

「おはようスペキュラー、シャドー・・・」

「おはようリーゼ。」

「おはようございます。」

どうやらスペキュラーはリーゼを起こすのに成功したらしい。
レイヴンは起きる気配すらないが。
さて、朝食も済んだし鞄を背負って学校へ・・・と、その前に。

「無駄だとは分かっているけど・・・」

とりあえずレイヴンの部屋へ行くシャドー。
結果はやっぱりさっきと同じ。

「もう行くよ、レイヴン!」

自分も遅れるわけにはいかないので、シャドーは家を出た。
レイヴンにはケインから罰を受けてもらうことに。
因みに同時刻にスペキュラーも家を出た。
リーゼは少し遅れてくるとのこと。

 

しかし結局、今日はリーゼもレイヴンも追いついてくることはなかった。

「じゃあね、シャドー。」

「うん。スペキュラーも頑張ってね。」

さてさて学校に着いたらスペキュラーと別れて・・・
部室に入って着替えて、それから朝練だ。
今日は先に来ていた人が何人か。
そのうち部室にいたのは・・・

「先輩、おはようございます。」

「おはよう、シャドー。」

挨拶を返した彼はレイス・クリスナー。
ちょうど今着替えているところだった。

「あれ?ケイン先輩は?」

「さあ?
少し遅れて出たみたいだから、すぐに来ると思うけど?」

シャドーがきょろきょろすると、レイスはそう言った。
ちょうどその時、部室のドアが開いた。

「あっ、先輩。
おはようございます。」

「ふわぁ〜・・・おはよう。」

あくび混じりで挨拶をするケイン。
ここの部長である。

「またゲーセンにでも行ってたのか?」

「いいだろ、別に・・・」

レイスにそう問われてふてくされるケイン。
ハチャメチャであると評判のこの学園だ。
そこのテニス部の部長ともなれば、ストレスがたまるのは当然。
それを晴らそうとするのも当然。
と、そんな時にまた部室のドアが開いた。
大きなあくびとともに・・・

「ふわぁ〜あ。」

入ってきたのは黒髪の青年・・・

「先輩、おはようございます。」

「おはよう、バン。」

「・・・あっ、おはよう・・・。
ふわぁ〜。」

部室にいた3人が挨拶をする。
ケインは突っ込まれつつだが・・・

「先輩、しっかりしてくださいよ・・・。」

「ねみぃんだからしょうがないだろ・・・。」

「リッドやシュダ、ビット達も、猛練習を開始してますよ。
さっき打ち合ってましたから。」

「へいへい・・・。
それで、ジークとレイヴンは?
また遅刻か?」

びくっと反応するシャドー。
結局今日も彼は起きなかったのだから。

「一応、起こしたんですけど・・・。」

「右に同じ・・・。」

バンとともに苦笑しつつ説明。
ジークもレイヴンとともに遅刻常習犯である。

「来たら、『グラウンド20周』と言っておいてくれ、例の3人にな。」

これには部長のケインも呆れ返る。
なんて言ったて、レイヴンはレギュラーなのだから。
名前は出てこなかったが、後の一人は・・・お判りの通りで。

「いっつもグラウンド走らされるの嫌がっているのに、何で来ないんだか・・・。」

シャドーはそう呆れつつ、バンよりも先にコートへ向かった。
コートではリッドVSハリーの試合が・・・
優勢なのは言わずとも。
リッドは左利きだが、右手でプレーしていたが、

「リノ〜〜〜ン、君が好きだーーー!!!」

「またやってる・・・。」

その様子を見て呆れるシャドー。
彼が使うは「告白スマッシュ」。
威力のほどは、

「まだまだだね。」

リッドのツイスト回転ショットが決まり、ゲームセット。
つまり、さほど無いわけで。
今日も絶叫「のみ」がよく響き渡り、
彼のボールの音はさほど響かず・・・いつものことではあるが。

 

「全員集合!」

しばらくして、ケインが号令を掛けた。
朝のミーティングの始まりだ。

 

「以上、練習を再開する。
1年は球拾い、2,3年はCコート、レギュラーはA,Bコートでそれぞれ練習開始!!」

『はい!!』

結局、ミーティングが終わった時点でもまだレイヴンは来なかった。
つまり、完全に遅刻・・・以下は遅刻して走ってきたレイヴンと、シャドーの会話である。

 

「シャドー!!
何で起こさなかったんだ!!」

慌てて走ってきたレイヴン。
彼といえども、好きで罰を受けているつもりはない。

「起こしたよ。
レイヴン、起きなかったじゃん・・・。」

それに対して、そう答えるシャドー。
これも日常茶飯事な会話の一つ。

「起きるまで・・・」

「あ、いた!レイヴン!!」

と、部長に見つかりここで終了。
シャドーはレイヴンから非常識な事を言われる前に球拾いに戻り、
レイヴンはしっかりグラウンド20周されたとか。

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*アトガキモドキ*

Zi学園テニス部をシャドー視点にし…(爆)
やっぱり知識不足です。元々運動苦手ですし(汗)
なので一部そのまま使わせてもらいました(殴)すみません…
こんな物ですがよろしくお願いします。


シヴナさんから頂きました。
はは・・・、朝は苦労が絶えませんね・・・。
ケインはケインでいろいろと・・・。
そして、シャドーは働き者ですね。
スペキュラーとはどうなんでしょうね?
いろいろと浮かんでくるのは・・・、レイリー好きだからかな・・・。
さて、これで大会は大丈夫か?
部長は悩みが尽きませんね・・・。

 

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