「セナのとある朝」

 

 これはZi学園高等部2年のセナ・シューマッハ、
ディアス・ハイウィンドと3年のホーク・シューマッハのある朝の光景である。

 

 ここはZi学園に近い所にある一軒家ディアス・ハイウィンドの家。
午前4時45分、二階に一番奥の部屋で茶髪で緑色の眼の少女が目覚まし時計に反応して起きる。

「ふぁ〜〜〜っ。
もう時間だな。」

彼女はあくびをしてそう呟いた後、部屋を出てパジャマのまま階下へ降りて行く。

「おはよう、セナ。」

「おはよ〜う、アクセス叔母さん。
あっ、御免んなさい、起きるの遅かった。」

「別に、今、始めたばかりだから、気にするな。
それより早く顔を洗ってこい。」

台所に居た緑髪で紫色の眼の女性の言葉に頷いて、茶髪の少女もといセナは洗面所へ行った。
因みにこの緑髪の女性は彼女の叔母のアクセス・ハイウィンドだ。
セナは洗面所から戻ってくるとアクセスと共に三人分の弁当と五人分の朝食の仕度を始めた。

 

 午前5時15分、ふと時計を見たアクセスがセナに言った。

「もうこんな時間だ。
後は私がやっておくから、セナはホークとディアスを起こしてきな。」<アクセス>

「そうだね、じゃあ着替えてから兄さん達を起こしてきます。」<セナ>

その言葉の後、セナは彼女の兄ホークと従兄のディアスを起こし再び二階へ上がっていった。
彼女は着替え終わった後、まず奥から二番目のホークの部屋に向かった。
彼の部屋の扉をノックする。

「ホーク兄さん、起きてる?
朝食が出来てるから一階に下りてきなよ。」<セナ>

「起きてるよ、セナ。
今、着替えてるから、もう少ししたら下に行く。」<ホーク>

ホークの部屋からは彼の何処となく低血圧気味な声が聞こえた。
しかし、彼は朝は強い方なのだ。

「分かったよ、ホーク兄さん。
僕はディアス兄さんを起こしてくるから。」<セナ>

セナはホークが起きてる事を確認すると彼女の従兄のディアスを起こしに行った。
さっきのホークの部屋と同じようにディアスの部屋の扉をノックする。

コンコン。

「ディアス兄さん、起きてるか?」<セナ>

「・・・・・・・・・・・・・。」<ディアス>

ディアスの部屋からは反応が無い。
どうやら彼はまだ寝てるようだ。

「ディアス兄さん、返事無いから入るよ。」<セナ>

ガチャッ。

彼が寝ていると予想したセナは、
ディアスをホークと共に所属してる剣道部の朝練に遅刻させる訳にもいかないので、
彼の部屋に入った。
部屋のベッドに頬に緑色の刺青がある青髪の男性が寝ている。
この男性がセナの従兄、ディアス・ハイウィンドだ。
因みに、彼はホークと違って少し朝が弱い時がある。

「ディアス兄さん、起きろ。
朝練に遅れるぞ。」<セナ>

そう言ってセナは彼の体を揺さぶるが起きる気配が無い。
彼女はこれに少し困惑したので次の方法を使うことにした。

「仕方無いな、少し荒っぽい方法にするか。」<セナ>

その言葉の後、彼女はディアスの両頬の思いっきりビンタをくらわせた。

ペシッ、パシッ!!

「痛ったーーーっ。」<ディアス>

「ディアス兄さん、目が覚めたか?」<セナ>

「ああ、覚めたよ。
けどな、セナ、あの方法で起こすのは勘弁してくれ。
かなり痛いんだぞ。」<ディアス>

「ディアス兄さんがなかなか起きないからだ。
あっ、それと朝食が出来てるから早く来な。」<セナ>

「そうか。
すぐ仕度する。」<ディアス>

それから10分後、
セナ、ホーク、ディアスは学校や部活の仕度を終えて朝食をとりに一階の台所に向かった。

 

 彼等が一階の台所に来ると、アクセスが三人の弁当を包んでるところだった。

「ホーク、ディアス、おはよう。
弁当はそこに置いてあるから忘れるなよ。
それと、セナ、後は頼んだよ。
私はエクセルを起こしてくるから。」<アクセス>

「分かったよ。」<セナ>

弁当を包み終わって朝食の盛り付けをセナに任せると、
アクセスは夫のエクセルを起こしに行った。

それから2、3分後、朝食を盛り付けたセナが呟いた。

「エクセル叔父さん、起きてこないね。」<セナ>

「親父は俺と同じで少し朝が弱いからな。」<ディアス>

「心配は無いだろ。
俺の予想が正しければもう少しで起きてくるな。」<ホーク>

『えっ。』<セナ、ディアス>

ホークのこの意味深な言葉に思わずセナとディアスは驚いてしまう。
その次の瞬間、

「痛って〜〜〜〜〜っ。」

先程のディアスを遥かに凌ぐ彼の父エクセルの大声が二階から響いてきた。

「親父、起きたな。」<ディアス>

「・・・・・そうみたいだ。
ホーク兄さんの予想が当たったね。」<セナ>

エクセルの大声が聞こえた後、セナ、ディアスは引きつりながらこのような言葉を交わした。
この後、アクセスの荒療治(?)によって叩き起こされたディアスの父エクセルも、
食卓について五人で朝食をとった。

 

 朝食を終えた後、ホークとアクセスは後片付けをしている。
そしてそれが終わる頃、エクセルが不意に口を開いた。

「ホーク、セナ、両親に挨拶は済ませたか?」<エクセル>

「ううん、これからしてくるところだよ。」<セナ>

セナが彼の言葉に答えた。
それから少しエクセルと会話を交わした後、彼女はホークと共に仏壇のある部屋に向かった。
実は、セナ、ホークの両親は11年前の仕事中の事故で亡くなっている。
その後、彼等はディアスの両親に引き取られて一緒に暮らしているのだ。
そのおかげか彼等は両親の死の悲しみに負けることなく順調に育って、今に至る。
それはそうとして、両親への挨拶を終えたセナ、ホークとディアスの三人は家を出発する。

「行ってきます。」 <セナ>

「・・・・・・行ってきます。」 <ホーク>

「じゃ、行ってくる。」 <ディアス>

ここから彼等三人の学生生活の一日が始まる。


Yukiさんからいただきました。
セナ達の日常・・・、割と普通ですね。
なんか、Zi学を見てるとハチャメチャなのが多いから・・・。
段々と間隔が狂ってくる・・・。
あと、気になったのが・・・。
セナって普段も男言葉なんですか?
それだけ気になりました。
・・・なんか、Yukiさんのキャラって殆ど男言葉ですよね・・・。
さて、リッドとはどうなる事やら・・・。

 

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