初めに断っておきます。
コレはギャグです。
そしてフィクションです。
本編には一切関係ありません。
本編のキャラクターのイメージを損なうとは思いませんが、ギャグが通じない方は読まないことをお勧めします。

 


ここは全国的にもキワモノぞろいで有名な名門私立校Zi学園。
個性の強すぎる彼ら日常、その中でも特別な日、2月14日バレンタインデーをほんの少しだけ紹介しよう。

 

小ネタSSシリーズ
〜2月14日〜
破滅もたらす聖なる日編

 

【Case-01】ルークの場合

 

ルーク「・・・・・・・・」

ルークは今、珍しく悩んでいた。
基本的に思考をする事はあっても苦悩する事は少ない感性の持ち主であり、
加えて言うならば状況の把握能力なら自他共に認めるほど高い事は認識している。
持てる全ての情報を駆使する事で、いかなる窮地であろうとも抜ける事が可能な彼が
何に悩んでいるかと言うと、目の前に置かれている物にである。
それは、平たく言えばチョコレートだ。
そう、チョコレートだ。
違う物だったらむしろ困る
2月14日に御菓子業者の悪巧みによって始まったと言えるイベントにおける主役である。
目の前にあるのは大きなハート型チョコレート。
ちょっと形が綺麗過ぎない辺りが手作りっぽさをかもし出している。
そしてその表面にはでかでかとこう書かれていた。

義理byエリー

ルーク「・・・・・・喜ぶ・・・・べき・・・・なのかな?
    やっぱり・・・・。」

 

正直微妙

 

 

【Case-02】シド・ウインディッツの場合

 

彼、シド・ウインディッツはフェミニストである。
別に気取ってるつもりも無いが、根っからがそれっぽいので仕方が無い。
容姿、能力に恵まれた彼には毎年この時期には非常にたくさんの愛の贈り物が送られる。
そしてその中にはマズイものも当然含まれる。
無論、前述したとおりシド・ウインディッツはフェミニストである。
その彼がたかが味の出来、不出来で女性からの心のこもった贈り物を差別などするわけがない。 

 

ただし 

当然ながらマズイ物もあるのだ。

味の問題ではなく
関わるのは人間としてマズイ物が

 

見るからにこりゃマズイというオーラをびんびんに発している物がある。
もうすでに(まじな)いを通り越して(のろ)い染みてるからだ。

シド「誇りを採るか、命を採るか・・・・・」

けして言い過ぎではない。

 

 

【Case-03】ゲイル・ヘルシングの場合

 

ゲイル「・・・・・・・」

彼、ゲイル・ヘルシングは意識がぶっ飛んでた。
いや、さすがに直前までは冷静だった。
だが、コレを見た瞬間に意識がぶっ飛んだ。
何を見たかと言うとチョコだ。
自分の愛する恋人から貰った物だ、決して無下にできるわけがない。
貰ったときは入っている箱のその大きさに面食らったが、
愛の大きさに比例してると言われれば悪い気はしない、むしろ嬉しい。
何が問題だったかと言うと、

それは、

 

『1/1スケール』
(悩殺セクシーポーズ)

 

だったと言う事だろうか。

真面目に型をとって作ったのかは判らないが、よく出来てるのは確かだ。
どうしようか、いろんな意味でそんな考えが頭の中を駆け巡っている。
無論テンパっているので、はっきり言って考えなんてまとまるはずが無い。

ゲイル「ウェッ・・・!」

無意識の内にどう食べようか悩んでいたようで、グロイ映像が頭の中に流れてきたらしい。
まぁ、しかし、おかげである程度は冷静になれた。

ゲイル(・・・・・なんか、一つ選択肢を間違うだけで、沢山の物を失いそうだな。)

 

それは多分正しい

 

 

【Case-04】アドニス・フィーストの場合

 

妹からチョコを貰った。
別に、肉親に対して義理チョコを送るぐらいなんて事は無いだろう。
本命だったら困る、と言うよりむしろ嫌だ。
ただ、あの妹から貰った物にはこう書かれていた。

フローズン謹製 
兄さんが今以上に男前になるチョコ『(メン)(ソウル)君拾参号』

アドニス(食べたら間違い無くアフロ
いや箱を開けた時点でアフロか?
というか例え捨てても明日の朝目が覚めたらアフロでしかも額に『肉』って書かれてそうな気がするのは何故だ!?)

人、それを第六感という。

 

 

【Case-05】コナン・ハーティリー

 

彼女からチョコを貰った。
誰から貰ったのかはあえて名前は言わないが、自分の好きな人から貰った物だ。
精神的にはすごく嬉しい。
しかし、肉体はその精神すら凌駕するほどの抵抗を指し示している。
何故か?

それは・・・・

マズイのだ。

この世の物とは思えないくらい。

 

明らかにこの世の基準を超えた、ある意味神の味だ。
邪神魔神かは分からないが・・・・・・。
なんとなくだが、味の予想は付く。
言っちゃ何だが、もしコレが輸入品なら世界大戦の引き金になってもおかしくない。
カッと眼を見開く。
コレは聖戦だ、彼女への愛を示す為の!

自己暗示(トレース)開始(オン)!」

――――創造の理念を無視し
     基本となる骨子を無視し
     構成された材質を無視し
     製作に及ぶ技術を無視し
     成長に至る経験を無視し
     蓄積された年月を無視し
     あらゆる工程を無視しつくし
     ここに、幻想を結びコレを別の味と成す!

自己暗示(トレース)完了(オフ)。」

フウ、といい仕事したって感じに額の汗をぬぐう。
まだ不安はある、しかし、このままではどのみちジリ貧だ。
意を決して 

パキッ!

食べた。

 

結論から言おう。
自己暗示はこれ以上は無いって程に成功していた。
舌で感じた刺激は電気信号となり、脳へと伝達される。
脳へと伝達された電気信号は、味覚を処理する部位へと伝わると同時にその情報を強制的に変換され
すごく美味しいと結論を出した。
だが、だました体へのダメージは想像を絶していた。
そのまま意識は闇へと飲まれていき、気付けば太陽のある方向が変わっている。
見慣れた花畑に行って、顔見知りになった渡し守たちと談笑をしていた気がしないでもないが、
あえて無視する。

コナン(このままだと命にかかわるな・・・・・)

もうすでにかかわってると思う。

 

 

【Case-06】オーガノイズの場合

 

女性陣は仲もいいのだし一応全員にチョコを配った。
しかし、彼女たちも女の子なのだ。
やはり意中の人物にはやたらめったらに手の込んだ物を送ろうとするのは、
当たり前と言っても差し支えないだろう。
皆さんも知っていると思うが、好きな形にしようとするには一度溶かさなければならない。
溶かしたチョコレートは、固める際には細心の注意を払わなければならない。
下手をすると、釘が打てるほど(言いすぎ)の硬度になってしまうからだ。
そして、やはりいたのだ。
そういった失敗をした人物が。
まぁ、食べさせられた髪が銀の童顔の少年が歯茎から血を出す程度の被害で済んだのは不幸中の幸いだろう。
ただ、この中で一人異様な空気を発している者がいた。
名前は・・・・・・あえて黙っておこう。
命の保障がなくなるから。
だって怖いんです、すごく。
見た目はいつもと何も変わらない。
ゆえになおさら怖い。
空気が違うんです、空気が。
と言うか前日に、

「・・・・やはり・・・・(わたくし)が・・・・殺・・・・。
・・・・・・シオン・・・・・・欧・・・・切・・・。
・・・・・殺・・刺・・殺・・喰・殺・・クスクス・・・」

てな事が、笑い声とともに聞こえながら、包丁を()いでる姿を見ちゃったから。
見てしまった女性陣が、時折居りチラッと見たが、

(わたくし)の顔に何か付いてるんですか?」

「う、ううん!なんでもない!」

それ以外に何を言えと?
ターゲットであろう人物は冷や汗を流しながら、
過去取得した保有スキルを発動させて三歩半ほど常に離れていた。

 

「みんな、どうしちゃったのかな?」

「分からん。」

この中で、一番ちっこいのと一番でっかいのはよく分かってなかった。

 

スキル
心眼(偽)
視覚妨害による補正への耐性。
第六感、虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知

 

 

【Case-07】クリエード家の場合

 

サウラ「はい、お兄ちゃん。」

キース「おう・・・・、てかお前さ。」

サウラ「何?」

キース「義理以外の渡す奴は居n・・・グハッ!

サウラ「何か言ったかしら?」

キース「グーは無ぇだろ、グーは・・・って、悪かった!
    謝るから!
    フライパンはやめ・・・ガハッ!

サウラ「お兄ちゃん、さっき良く聞こえなかったの。
    だから、もう一度言ってくれる?」

キース「もう言いません!
    もう言いませんから!
    だからや・・・グエッ!

サウラ「まったくもう、女の子が気にしてる事言っちゃ駄目よ。」

キース「問題が違、って待て!
    は拙いって、縦は!!


ドカッ!

バキッ!

ドゴッ!

ゴシャッ!

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!

しばらくお待ちください

無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!


グシャッ!

ビチャッ!

ニチャッ!


サウラ「フウ。」

サンダー「ただいまぁー。」

サウラ「あ、お帰りなさい、サンダーちゃん。」

サンダー「どうし・・・ヒィ!

サウラ「それじゃ、私は晩御飯の用意をするからね。」

サンダー「・・・・・・」硬直中

サウラ「あ、そうそう。
    サンダーちゃん。」

サンダー「ハ、ハィッ!」裏声

サウラ「そこのお兄ちゃん(ごみ)、捨ててきてね。」

サンダー「・・・・・・」

キース「殺せぇ・・・・、いっそ殺してくれぇ・・・・・

 

その場にあるのは、
返り血の付いた顔で極上の笑顔を浮かべるサウラと、
壊れたおもちゃみたいにコクコクうなずくサンダーと、
この世の物とは思えないほど顔がぼこぼこになってるキースだけだった。

人には触れてはいけないものがある。

 


えー・・・・・・、はい電波物第3弾です。
もう細かく言う必要も無いと思いますね。
また、キャラぶっ壊れまくってます。
そのうち取り返しの付かないことになってしまうかも・・・・・・(汗)
もうすでに十分なっている気がしないでもないですが・・・・・・


砂亀さんからいただきました。
一言、言わせて貰うと・・・、あなた「天才」です!!
もう隅から隅まで徹底的に笑わせてもらいました。
なんか・・・、色々な意味で天国にいける日ですよね、2/14って・・・。
多分想像以上に悲劇が起こると思いますが・・・。
皆様の冥福をお祈りしております。(死んでねぇよ!!)
砂亀さん、どうもありがとうございました。

 

Zi学アナザーTOPに戻る        ZOIDS TOPに戻る        Novel TOPに戻る