「プロローグ」
ここ、ファ・ディールの小高い丘の上に一本の大きな木が立っている。
その木に寄りかかるように一軒の家が建っており、そこに一人の青年が住んでいる。
名前はトト。
赤い帽子がトレードマークだ。
かつては両親と一緒に住んでいたが、2年前に病死をしてしまい、
今は一人でこの家に暮らしている。
同居人といえば、二階にある彼の寝室にサボテンがいる。
「いる」というのは、彼(彼女?)は話すことができ、しかも歩くことができるので、
実際は人間と同じ扱いでいいのだ。
けど、歩くことはトトには内緒らしいが、トトはもう気づいている。
トトはとりあえず「サボテン君」と呼んでいる。
サボテン君は日記をつけるのが趣味らしく、トトが色々話をしてやると、
そのことを日記につけるのだ。
後もう一人同居人がいる。
彼の家の庭にはもう一本大きな木が立っていて、その木は動くことはできないが、
話すことができる。
名前をトレントという。
彼に植物の種を飲み込ませると、枝に作物ができる。
トトはこれらを売ったり、自分で食べたりして生計を立てている。
トトはいつも両手持ちの剣を持っている。
これは父親の形見で、冒険に行くときには欠かせない。
町以外の所にはモンスターが出没しており、武器がないと近付くことさえままならない。
父親から剣を受け継いだときからずっと鍛えていたので、
剣の腕はこのファ・ディールで一、二を争うと言われるほどになった。
ある日の夜、トトは不思議な夢を見た。
空に浮かぶ大きな木が話しかけてくるのだ。
「マナの木が焼け落ちたのが、今から900年前。
マナの力は魔法楽器やマナストーン、アーティファクトの中にだけ残され、
知恵のある者達はそれを奪い合いました。
そして数百年にわたる戦乱の時代を経て、マナの力が少しずつ弱まるにつれて、
それを求める者が消えゆくと、ようやく世界に平和が訪れました。
それ以来、人々は求めることを恐れ、虚ろな気持ちだけ胸に抱いて、
私の手から離れていきました。
私の無限の業から目を背け、小さな争いに胸を痛めています。
私を思いだしてください。
私を求めてください。
私はすべてを限りなく与えます。
私は『愛』です。
私を見つけ、私に向かって歩んでください。」
トトは目を覚ますとさっそくサボテンに夢のことを話す。
すると、
「おおきかった?」
と、一言。
トトは苦笑いしながら、
「かなり・・・、ね・・・。」
としか言い返せなかった。
「さてとドミナの町に買い物にでも行くか〜」
そう言って、サボテンに留守を頼み、家を出ていった。
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サボテン君日記
おおきなきとゆめではなしたらしい。
そんなことがほんとにできるの?
ああ、でもゆめか。
どんなはなしをしたかはわすれた。
ねてたのばれたかなぁ。
ねおきだし・・・いいよね。
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トトの一言
寝ながら人の話を聞くなっ!!
ふぅー、やっと書きおえた。これからどんどん書くのでこうご期待。
(短っ!!)