「波間に眠る追憶」

 

 港町ポルポタに着いたトト、ティアラ、バド、コロナの4人とラビ。
この街は古くからリゾート地として知られていて、
少し行けばトト達のようにマドラ海岸に遊びに行けたり、
優雅なホテルで潮風と美味しい海産物を満喫できる。
ハーバーにはいろいろな船が出入りしていて、海賊もその常連らしい。

「夕日が綺麗〜。」

「本当に。
日が完全に沈む前にチェックインできて良かったですね。」

トト達がホテルに到着したのは、日が半分沈みかけている頃、
窓から見える夕日で、すでに満足そうなティアラとコロナ。
トトとバドは先にシャワーを浴びている。
ちなみに家にいるときでも一緒に風呂に入っているこの2人。
トトは弟がいないし、バドもコロナ以外身寄りがいない。
互いにそんな境遇だから、この2人は本当の兄弟のように仲がいい。
ティアラとコロナも時々姉妹みたいだと言われることがある。
実際、ティアラが家に泊まる時に、一番喜んでいるのはコロナ自身なのだ。

「あの2人って本当の兄弟より兄弟っぽく見えない?」

「そうですね。
性格が似てるからかな。」

「そうね、子供っぽくて、やんちゃだし・・・。」

「唯一の相違点って頼りになるか、ならないかってところだけですもんね。」

その言葉に声を揃えて笑う2人。
もちろんトトは前者で、バドは後者の方。
ちなみにラビはベッドの上で寝ていた。

 

 トト達がシャワーを浴び終わった後、
お腹が空いた、という双子の意見に従い、ホテルの近くにあるレストランへ。
ラビはそのまま寝かせて置いた。

「トト、この街のアーティファクトって何だっけ?」

「えっと・・・、確かあの錆び付いたイカリだったな。
ほら、さっきヴァレリからもらった。」

もらったアーティファクトはすぐ調べる、トトにはこれが習慣になっていた。

「シーフードって久しぶりだなぁ。」

「最近、肉と野菜だけでしたからね。」

「よぅ〜し、たらふく食うぞ〜!」

バドの一言に全員苦笑い。
トトだけは、お金は足りるだろうか、と心配気味。
そして、レストランの入り口につくと、トト達はある人物と出会った。

「あっ、瑠璃に真珠姫!」

「トトお兄さま、ティアラお姉さま!」

「お前達か。奇遇だな、こんな所で。」

なんと、ガトの町で別れた瑠璃と真珠姫がそこにいた。

「どうしたの、こんなところに?」

「真珠が海をみたいというものだからな。
たまには気分転換もいいだろうと思って。」

瑠璃の答えに、ほぅ、と感心する4人。
そして、ここで折角会えたのだからと、一緒に食事をとることとなった。

 

「それで、その後どうなんだ?仲間は見つかったのか?」

トトがシーフードカレーを食べながら瑠璃に尋ねる。

「全然ダメさ。
ルーベンスの一件以来、珠魅に関する情報が入らなくてな。」

「あちこち探したんだけど、足が棒になっただけだし・・・。」

2人はサラダを食べながら答える。
ちなみに珠魅は食べなくても生きてはいける。
この2人の場合は、単に美味しいものを食べたいだけなのだ。

「大変ね、私たちも力になれればいいんだけど・・・。」

「お心遣いありがとう、お姉さま。」

パスタを食べているティアラに微笑んでそう言う真珠。
ティアラは「お姉さま」という言葉を少しこそばゆく思った。

「そういえば、さっきボイド警部を見たわよ。ね、バド。」

「うん、散歩をしてたらそこのハーバーを歩いてた。」

双子の言葉に口の中に含んでいるものを吹き出しそうになるトト、ティアラ、瑠璃。
真珠はいまいち訳が分からずにキョトンとした様子で3人を見ていた。

「ボイド警部がいるって事は・・・、」

「ここに珠魅の仲間がいるって事か。」

「そして、その人の核をサンドラが狙ってるって事だな。」

トトの言葉に全員の顔が曇った。
サンドラ・・・、ルーベンスを殺し、その核を奪い、
そして、トト達をあざ笑うかのように姿を消した宝石泥棒の名だ。

「奴にはでかい借りがある。
まとめて返してやらないとな。」

「ああ、そうだな。」

そういって再び食事に手を付けるトトと瑠璃。
その姿を見て、少し心強く思うティアラと真珠。
そして、大食い大会のように料理を平らげるバドと、それを呆れた目で見るコロナがその場にいた。

 

 そして、翌日・・・。
ゆっくり休んだ一行はホテルのフロントに集まっていた。
ちなみに昨晩は女性陣と男性陣に別れて寝た。
トトにとって瑠璃と真珠との再会はティアラと別の部屋で寝る絶好の理由となったのだ。

「さてと、チェックアウトも済ませたことだし、とっとと引き上げようぜ。」

受付で代金を支払い終え、一行はホテルを後にしようとした。
だが、

「何だろう、嫌な風・・・。」

入り口から吹き込んできた風に違和感を覚えるティアラ。
すると突然、風が強くなり、フロントを照らしていたろうそくが消えてしまった。
このホテルのフロントは窓が小さく、
入り口もそんなに大きい方ではないので、空間は薄暗くなってしまう。
全員の姿をぼんやりと確認するのがやっとである。

「な、何?
あ、あれ・・・。」

コロナが声を震わせながらそう言う。
トトが彼女を見ると、何かを指を指しながら体も震えていた。
そして、全員が彼女の目線の先を見ると、

「が、骸骨だぁーーー!!!」

バドが大声で叫んだ。
彼らの目線の先にはぼんやりと骸骨が立っていた。
ティアラと真珠はそれぞれトトと瑠璃の後ろに隠れている。
その彼らは武器に手を掛けていた。
ラビもフーッ、と威嚇をしている。
フロントの店員に至っては、奥で丸くなってブルブル震えている。
すると、骸骨はかき消すかのようにスゥーと消えた。
それと共に部屋の明かりもつく。

「ま、間違いない、ゆ、幽霊だぁーー!!」

店員が大声で叫んだ。

「もう、我慢できん!
あいつのせいでここの売り上げが下がりっぱなしなんだ。
なぁ、あんたら、誰か幽霊に強い人を知らないか?」

このホテルのマネージャーらしき人がトト達にそう尋ねてきた。
その顔は必死そのもの。
だが、トト達の知っている人物にそんな人はいない。
すると、

「じゃあ、私たちが引き受けるわ。」

『・・・はぁ?』

ティアラがとんでもないことを言い出した。
その場にいた全員は思わず間抜けな声をあげる。
だが、そんな彼らにも関わらず、

「頼むよ、もちろん、お礼はちゃんとするから。」

「よし、契約成立ね。」

と、ティアラとマネージャーの間でどんどん話が進んでいた。

「さっき、俺の後ろでブルブル震えてたのはいったい誰だよ・・・。」

トトがボソリと呟いた瞬間、お決まりのように槍の尻がトトの腹にヒット、
彼はその場にうずくまってしまった。
バドとコロナは「またか」と思い、瑠璃と真珠は唖然としていた。

 

「さあ、まずは情報収集からね。」

いつもの通り、意気込んでいるティアラ。

「そうだな。
じゃあ、俺と瑠璃と真珠は岬の方に行くから、
ティアラとバドコロはハーバーの方を頼む。」

「師匠〜、略さないでください・・・。」

バドの声は彼の耳に届いているのだろうか、
彼らはとっとと行ってしまった。
ちなみにラビは自分の意志でトトについていった。

 

 岬へ行く道の途中には店が数軒並んでおり、
人もたくさんいたので情報収集にはもってこいの状況であった。

「さてと、どっから始める?」

「まずはあの店から聞いてみるか。」

トトの示した店は花屋。
そこには花人という種族がいた。
花人とは一般的に草人に花が咲いた種族といわれ、
草人とは違って個々に意志や考えを持っている。
彼らには性別があるが、それが種族的にどんな役割を果たしているかは不明。
以上がトトの書斎にある本の内容である。
 早速トトが話しかけてみると、

「ねぇねぇ、知ってる?
ホテルに幽霊が出るんだって。
怖いよね。」

花人がそう言ってきたので、トト達は聞くことを失ってしまった。

「もう浸透しているのか。」

「騒ぎはかなり大きいようだな。」

トトと瑠璃が話している。
すると、突然海から女の人が顔を出した。

「幽霊なんて誰かのいたずらに決まってるじゃない。」

「フラメシュ!」

花人がその女の人に叫んだ。

「そんなのにビビッちゃって、だらしないの。」

彼女はケラケラ笑いだした。
花人は完全に怒っている。

「ええと・・・、君は?」

とりあえずトトが尋ねてみる。

「私はフラメシュ。
人魚なの、よろしくね。」

そう言って、海面に隠していた尾ビレを持ち上げた。
紛れもなく、人魚である。
トトはそれにもビックリした。
文献によると、
人魚は本来、群を成して行動をしているので、1人で見つかることはない。
そして、陸に近付くことも滅多にないのだ。
 彼女は幽霊を信じていないらしく、
聞いても無駄だと思い、とりあえずその場を後にしようとした。
すると、

「あれ、そう言えば真珠姫は?」

トトが真珠がいないことに気付く。
さっきまで瑠璃と一緒にいたのだが・・・。

「まったく、すぐどこかに行っちまう。
真珠、何処だ?」

そう言って辺りを見回してみる。
だが、真珠の姿はなかった。

「ああ、あのふわふわした女の子だったら岬に行ったみたいだよ。」

さっきの花人が親切にも教えてくれた。
トト達は礼を言うと、そのまま岬へと向かった。

 

 岬の入り口付近に真珠はいた。

「真珠!」

「あっ、瑠璃君、トトお兄さま!」

瑠璃が呼びかけると、子供のようにはしゃいだ声をあげながら
2人の下に駆け寄った。

「勝手に彷徨くなって、いつも言っているだろ!」

「ごめんなさい。
でも、凄いことが分かったわよ。」

「凄いこと?」

「うん。
あのね、あそこにいるトーマって言う人に聞いたんだけど・・・。」

真珠は話しながら、小高い丘に立っている人影を指した。
どうやら帝国の兵士みたいである。
「不死皇帝が治めている帝国」
そのことぐらいはトトも知っていた。

「なんでも、先月にこの先の海域で帝国の船が沈没したんですって。」

「帝国船の沈没・・・か。
確かに関係がありそうだな。」

「ああ、真珠姫、よくやったな。」

トトが真珠を誉めると、彼女は顔を赤らめた。
そして、一度ティアラ達と合流するためにホテル前に戻ることとなった。

 

 トト達が着くと、ティアラが不機嫌そうな顔をして立っていた。
これにはトトはおろか、瑠璃や真珠も退いている。
こんな時にむやみに近付くと、槍の一発や二発は簡単に飛んでくる。
トトは長年のつきあいなのでよく分かっていた。

「ど、どうしたんだ、ティアラ。」

彼が恐る恐る問いかけてみると、答えたのはバドであった。

「さっき生意気な魚に、「貧乏人はあっち行け」て言われたもんだから・・・。」

「ティアラさん、怒っちゃって、怒っちゃって。」

コロナが弟の後に続く。

「魚って?」

「なんか下半身がザルになってて、自分でザル魚って言ってたよ。」

バドが答える。
トトと瑠璃はまだ分からないみたいで、頭に?マークが浮かんでいる。
真珠は何を想像したのか、ちょっとビクついてた。

「トトさん、とにかくティアラさんを何とかしてくださいよ。」

コロナの悲痛な叫びにトトはハァ、とため息を吐いて一言。

「分かった。
ティアラは何とかするから、お前達の結果を聞かせてくれ。」

「ええと、あっちにボイド警部がいたことぐらいかな。」

バドが答えた。

「そうか・・・、他には?」

今度は瑠璃が聞く。
今度はコロナ。

「ボイド警部、休暇で来たって行ってたけど、何か隠してそうなんですよね。」

「そうか・・・、じゃあ、警部に再アタックしてみよう。
ちょっと先に行っててくれ。
俺はあいつを何とかしてから行くから。」

トトがそう言って、瑠璃達4人とラビをハーバーに行かせた。
そして、

「ティアラ、いい加減、機嫌を直したらどうだ。」

「だって、あんな事言われて、黙ってられないわよ!」

まだまだ膨れっ面で目に涙を浮かべている彼女にトトは仕方がなく、

「んっ!!!」

彼女の口を自分の唇で塞いだ。
これには彼女も顔を真っ赤にして驚いていた。

「機嫌は直ったか?」

彼の言葉にティアラは手で唇を押さえながらコクコクと頷く。
そう言う彼も少し、いや、かなり顔が赤かった。
こうして、トトとティアラのファーストキスはこういう形になった。

 

 トトとティアラがハーバーに行くと、瑠璃達がボイド警部を締め上げている最中であった。

「わ、儂は・・・休暇で・・・。」

瑠璃に追いつめられている

「いい加減吐いたらどうだ。」

「少しは楽になりますよ。」

バドとコロナが脇で問いつめる。
まるでどっちが警官だか分からなくなっていた。
そして、とうとう観念したのか、ボイド警部は渋々話し始めた。

「君達の根性は見上げたものだね。
そう、儂はここに仕事に来たのだ。
サンドラから『“青い瞳”を頂戴する』という予告状が届いたのでな。」

「青い・・・瞳・・・。」

ティアラが呟く。
彼女の瞳も青色なのだ。

「君たちも青い瞳の人物を知っていたら教えてくれ。」

そう言ってボイド警部は去っていった。

「青い瞳か・・・。」

「おそらく珠魅の核の呼び名だろう。
青い瞳の人物を捜しても、どうにもならないな。」

瑠璃が詳しく分析。

「とりあえずホテルに戻ろう。
なんか喉が渇いちまった。」

『賛成!』

トトの提案に一同はホテルへ。

 

 ホテルではボイド警部と衛兵トーマが何やら話していた。

「あなたがトーマさんですな。
私はこういうものです。」

そう言って警察手帳を見せる。

「ボイド・・・警部。」

「あなたにお話を伺いたいと思いましてな。
沈没船と例の幽霊のことです。
詳しくはあちらで。」

警部がラウンジの方を指す。

「分かりました。」

トーマは了承し、ボイド警部と共にラウンジへ向かった。

「なんか・・・今の警部って、変じゃなかったか?」

「ええ、沈没船とか幽霊とかって言ってたし・・・。
第一、警部は珠魅を探していたはずよ。」

トトとティアラの会話に頷く瑠璃。
仕事一筋の警部が脱線などするはずないのだ。
ましてや、人の命が掛かっているときに。
そして、話し合った結果、後を追うことにした。

 

 ラウンジではボイド警部とトーマがザル魚に問いかけていた。

「君がザル魚君だね。」

トーマの問いかけにザル魚は実に煙たそうにこう言った。

「なんだね、君は。
失礼な奴なのね。」

それにはトーマもタジタジ。
すると、ボイド警部は、

「ねぇ、ねぇ、君って凄い宝石を相続したんだって。
なんでも海で起きた事が見えるっていう。」

と徹底的に煽てる作戦に出た。

「それを見せてくれ。
もしかしたら、帝国船が沈没した原因が分かるかもしれない。」

トーマがえらく興奮した様子で尋ねる。
だが、当のザル魚は渋っている。
すると、後ろで踊っていた踊り子が口を挟んだ。
ホテルの人の話によると、ザル魚はこの踊り子、ルヴァーンシュにご執心のようなのだ。

「私も見てみたいわ、その宝石。」

「じゃあ、見せてあげるのね。」

彼女のお願いに彼は快く懐にしまってあった青い宝石、サファイアを見せる。
その大きさは野球の球よりも大きい。
すると、瑠璃と真珠が声をそろえてこういった。

『珠魅の核!』

そして、その核から光が放たれ、周りの景色が変わった。

 

ここは帝国船のようで、デッキには兵士が数人いた。

「これより、我々は陛下の命の下、最強火器兵器を入手する。」

一番位の高い兵士が部下に命じていた。

「陛下は手段を選ばず、実力行使もやむを得ないとおっしゃられた。
諸君達の健闘を祈る。」

そこまで話し終えたとき、1人の兵士がデッキに駆け上がってきた。

「隊長、大変です!
前方に『海の魔女』が現れました!」

「海の魔女」、その言葉にデッキが慌ただしくなった。

「みんな、心を強く持て!
歌に聞き入るな!」

隊長がそう叫ぶと同時に歌が流れてきた。
心地よい歌で誰もが聞き入りそうなもの。
その歌のせいか、兵士は次々と倒れていってしまい、
船の上では爆発が起こっていた。
そして、最後の1人が倒れたとき、船は海の藻屑と化した。

 

 そこまで見終わったとき、あたりはまた光に包まれ、
気が付けば光景はホテルのラウンジのものへと戻っていた。

「そうか・・・、『海の魔女』にやられたんだな・・・。
トーナ・・・。」

トーマがそう呟く。
全員がなんだか暗い表情。

「ねぇ、『海の魔女』っていったい何なの?」

「ああ、本によると、船の航路にたびたび現れては、魔性の歌を歌い船を沈めてしまうと言われている。
主にセイレーンやマーメイドの仕業とされているが、詳細は不明だ。」

ティアラの質問にトトがそう答えた。
すると、

「が、がが、骸骨!!!」

バドの指の方向を見ると、またしても骸骨が姿を現した。
今度はぼんやりとではなく、ハッキリとだ。

「我々の真実・・・、青い瞳をよこせーーー!!」

えらく低い声でザル魚にそう迫ってきた。
彼は溜まらずその“青い瞳”を差し出してしまった。
すると、骸骨はそのまま走っていってしまった。

「お、驚いたのね。
幽霊って走るのね。」

その言葉にピンときたのはトトだった。

「幽霊が走る訳ないだろ!」

そう言って、彼はそこを飛び出した。
だが、誰かとぶつかったようでそこに倒れ込んでしまう。

「ぼ、ボイド警部・・・?」

そう、ボイド警部である。
さっきまでラウンジにいたはずの彼が何故かそこにいるのだ。

「いたぁ・・・、君、いきなり飛び出したら危ないじゃないか。
それより・・・、そこにザル魚君はいるかね。」

「ええ・・・。」

何が何だか分からない間に警部は中に入っていった。
流石に全員、トトと同じ反応なのでボイド警部は不思議顔。

「なんじゃ・・・、みんなして・・・。」

「警部、さっきまでここにいましたよね?」

トーマが尋ねるが、警部はさらに疑問が広がっただけだ。
すると、トトがあることに気付いた。

「やっぱりな。
さっきの警部も、あの幽霊も、全部サンドラの仕業だったんだ!
すべては“青い瞳”を盗むために仕組まれたことだったんだよ。」

それを聞いたみんなの表情は悔しさが滲み出ていた
それもそうだ。まんまとサンドラに騙されてしまったのだから。

「なぁ、一つ聞きたいことがある。
あの核はどうやって手に入れたんだ?」

瑠璃が尋ねると、ザル魚は静かに話し始めた。

「あれはサフォーにもらったのね。」

「そいつって・・・サファイアの珠魅か?」

「うん、僕たち、親友だったのね。
でも、宝石泥棒に奪われるぐらいならって・・・、
核を外して・・・僕に・・・。」

涙目で話すザル魚を悲しく思う一同。
そして、

「取り返してやれればいいのだがな。」

瑠璃から滅多に聞けない慰めの言葉が聞けた。

 

「いやぁ、よくやってくれたよ。
これはお礼の品だ。
受け取ってくれ。」

そう言ってホテルのマネージャーが差し出したのは、
海賊がよく使っているカギ爪と、何かが入っている瓶であった。
これもアーティファクトだ。

「それと、宿泊費はタダにして上げるよ。
よかったらもう一泊どうだい?
もちろんお代はいらないよ。」

「そうだな。
なんだかんだやってたら、疲れちまったし。」

「そうね。瑠璃君達はどうする?」

「俺は別に構わないさ。」

こうしてポルポタにもう一泊することになったトト達であった。

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サボテン君日記

ざるざかなってどんないきものなんだろう?
でも、ごうまんはよくないとおもう。
それにしても、うみにいけていいなぁ。
あと、てぃあらときすしたってほんとう?

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LOMキャラの一言

やれやれ、とんだ災難にあった。 by トト

あら、結構楽しかったじゃない by ティアラ

それはあんただけだって by バド

いつものことじゃないの by コロナ


なんか凄く時間が掛かってしまった。
なかなか展開が思いつかなくて、苦労しました。
本当に久々の更新となってしまいました。
でも、見捨てないでくださいね。
このサイトに聖剣を見に来てくださっている方々の期待に応えられるように、
これからも頑張りたいと思います。
では。

 

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