「レックスと指輪」

 

 それはレックスがバン達一同と一緒の職場に転属となってから、
数ヶ月経ったある夜の出来事である。
彼女は、指輪をつないだネックレスをはずして、浴室でシャワーをあびていた。
シャワーを浴び終わって、着替える場所に出てきた途端、レックスは石化した。
なぜなら  フィーネとリーゼがネックレスにつないだ指輪を不思議そうにみていたからだ。

フィーネ「わ〜、銀色の指輪だ。
     綺麗〜。」

リーゼ「あれ?
    指輪の裏に何か文字が彫ってあるよ。」

フィーネ「あ、本当
     ・・・《K to R》
?」

我に返ったレックスはおそるおそる二人に言った。

レックス「あのー、それ、私のなんだけど。」

フィーネ「あ、ごめんなさい。
     勝手に見ちゃって。」

リーゼ「ごめん。
    それはそうとして“K”って誰?」

レックス「そ、それは・・・。
     えーと・・・、お、お父さんのイニシャルなの。」

だが、彼女は気付いていなかったようだが、語尾が少し濁っていたらしい。
ちなみに、この時点でシュバルツ大佐と彼女の関係は、
ハーマン大佐、オコーネル大尉、
シュバルツ大佐の弟のトーマ・リヒャルト・シュバルツ大尉以外の人々は知らない。

フィーネ「レックス、何か変よ?
     どうしたの?」

リーゼ「どうしたんだい?
    僕達、何か気に障ることでもした?」

レックス「ううん、別に・・・、なんでもないよ・・・。」

リーゼ「レックス、変だよ。
    そうだ僕が君の心を読んであげる。」

レックス「いいよ、別に。」

ちなみに彼女達は仲が良く、よく三人で話をしていることが多いのだ。

リーゼ「大丈夫、僕達三人の仲じゃないか。
    安心してよ。」

レックスの言葉も空しく、リーゼはレックスの心を読み始めた。

 

 少しして、

リーゼ「・・・・・・レックス、君、シュバルツの彼女だったんだ。驚いたよ。
    あの指輪 シュバルツからのプレゼントだったんだ。」

フィーネ「えっ、そうだったの。
     知らなかったわ。」

レックス「ごめん。
     下手にこのことが知られると、
     彼の仕事に支障をきたすと思って、黙っていたんだ。」

フィーネ「そっか、だから黙っていたのね。」

レックス「ごめんね、フィーネ、リーゼ。」

リーゼ「いいって、僕達が勝手にしたことだし。
    それに、大切な人のためにって気持ち、分かるよ。」

フィーネ「私も分かるわ。
     それはそうと《K to R》って、レックスへって意味だったのね。」<フィーネ>

レックス「理解してくれてありがとう。
     でも このことは誰にも言わないでね。」

リーゼ「分かっているよ。
    僕は口が堅いから。」

フィーネ「大丈夫、安心して。
     誰にも言わないから。」

レックス「ありがとう、二人とも。」

 その後、彼女達が何事もなかったかのように振舞ったので、
シュバルツ大佐とレックスの関係が、
彼らの関係を知っている人たち以外の人々に知られることは無かった。
ちなみに指輪というのは、
銀色で龍が真中の青い宝石を囲む彫刻を施してあるものである。

 


Yukiさんからレックスの説明として頂きました。
いいですねぇ、照れるレックスとそれに食いつくフィーネとリーゼ。
乙女3人組が誕生ですね。
さて、これで独身組はアーバインとキースになった訳で・・・。
そう言えばムンベイとマクマーンってどうなったんでしょう?
もしかしたら独身はキース1人に・・・。
モテモテだけど、彼女なしの彼に幸あれ。
では。

 

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