「幼い頃の2人」

 

 初夏の陽射しが照りつける中、
Zi学園のある町の郊外の草原に、一機のガトリングパーツ付ブラックレドラーが降り立った。
キャノピーが開き、中から1人の少年と1人の少女が草原に降り立った。
少年の方は金髪で眼の色は緑、年齢は14歳、
少女の方は淡い茶色の髪で眼の色は青、年齢は8歳だ。
もうお気付きの事と思うがこの少年と少女は幼い頃のシュバルツとレックスである。
彼らは草原に降り立った後 町へと歩いて行った。

 

 数分後、Zi学園のある町をシュバルツとレックスは特に目的も無くぶらぶらと歩いていた。
彼らがこうなったのには理由があった。
実は、彼らの父親が仕事の打ち合わせで話し込んでいるのだ。
彼らの弟のトーマとコナンはといえば一緒に遊んでいる。
そんな訳でシュバルツとレックスは時間をつぶす為にこの町をふらついているのだ。
2人でいろいろな店を見ていると、3人の少年がシュバルツとレックスのいる方向に歩いてきた。
1人はシュバルツと同じ金髪、もう1人は青い髪、
そして、もう1人は黒髪の少年、
三人ともシュバルツと同じくらいの年齢である。
因みに、彼らは幼い頃のハーマン、オコーネル、キースだ。
どうやら、3人がシュバルツとレックスに気付いたようだ。

「やあ、シュバルツ。
ここで何してるんだ?」<ハーマン>

「こんにちは、シュバルツさん。」<オコーネル>

「よお、シュバルツ。
こんな所で奇遇だな。
ところでその女の子は?」<キース>

「ああ、この子は俺の父さんの知り合いの娘さんで、
名前はレックス・ハーティリーだ。」<シュバルツ>

「こんにちは、レックス・ハーティリーです。」<レックス>

「こんにちは、レックス。
俺の名前はロブ・ハーマン。」<ハーマン>

「こんにちは、レックスさん。
僕の名前はオコーネル、よろしく。」<オコーネル>

「俺の名前はキース・クリエード。
よろしくな、レックス。」<キース>

そう言って レックスと3人は互いに軽く挨拶を交わした。

「ところでシュバルツ。
ハーマンと同じ質問をするようだが、何でここにいるんだ?」<キース>

「俺の父さんとレックスの父親が仕事の事で話し込んでるから、
時間をつぶしにきたんだ。」<シュバルツ>

「へ〜、そうだったんだ。
それはそうとしてレックスさんって、
シュバルツさんの妹みたいに見えますね。」<オコーネル>

「言われてみれば、そう見えるな。」<キース>

「からかうなよ、オコーネル、キース。」<シュバルツ>

「キース、オコーネル、いつまでもからかってないで行くぞ。
それじゃ、またな、シュバルツ。」<ハーマン>

キースとオコーネルがシュバルツをからかってるのにみかねて、
ハーマンは2人を連れてその場を立ち去っていった。

「ったく、キースにオコーネルの奴、
2人してからかうことないだろ。」<シュバルツ>

「今の人達、カールさんのお友達なの?」<レックス>

「ああ、学校が一緒なんだ。」<シュバルツ>

「ふ〜ん。そうなんだ。」<レックス>

キース、ハーマン、オコーネルが去った後、
2人はこういう会話を交わして町の中を歩いていた。
ちなみに、この頃のシュバルツ、キース、ハーマン、オコーネルはZi学園の中等部に通っており、
レックスの方は隣町の小学校に通っている。
不意に、あるアクセサリーや化粧品を売っている店の前でシュバルツの足が止まった。
ちょっとの間、何か考えた後、レックスを連れて中に入っていった。
店の中でシュバルツは何かを探してるようだ。

「どうしたの、カールさん。
急に店の中に入ったりして。」<レックス>

「前にこの店で見かけてから、
レックスに買ってあげたかったものがあるんだ。」<シュバルツ>

その後、30分ほど店の中を歩き回った後、
彼は目的の物を見つけたらしく、
レックスの手をひいてそれを手に取りレジの方へ向かった。

 

 それから数分後、店を出てブラックレドラーの置いてある郊外へ向かって歩きながら、
シュバルツとレックスは喋っていた。

「まさか カールさんがあれを買ってくれるとは思わなかったな。」<レックス>

「まあ、気に入ったくれたなら、それでいい。」<シュバルツ>

そういうシュバルツの頬は、ちょっと赤くなってたようだ。
その後、2人はブラックレドラーに乗り込んで彼らの父親と弟のいる場所へと戻っていった。

 

 数年後、Zi学園中等部の屋上で、
レックスが銀の鎖でつないだ、龍が真中の青い宝石を囲んだ彫刻を施してある銀色の指輪を見ている。
その側にシュバルツが近づいてきた。

「レックス、何、思い出してるんだ?」<シュバルツ>

「君がこれを買ってくれた時の事を思い出してたんだ。
あの時は とても嬉しかったんだよ。」<レックス>

「そうか・・・・・・・・。」<シュバルツ>

そういう会話を交わした後、
彼らは一緒に初夏の青空を眺めた。


Yukiさんから頂きました。
幼い頃のカール&レックス、Zi学園バージョンです。
なんか、新鮮でいいですねぇ、学生時代の彼等って。
しかもキースまで出していただいて、ありがとうございます。
でも、キースはともかくオコーネルまでからかうとは・・・。
やっぱり仲がいいですね、あの3人も。
Yukiさん、どうもありがとうございました。

 

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