「恋する追跡者」
〜ジュジュの恋人現る?〜

 

私の名はカイル=ランスロー、20歳。
ランスロー家といえば、チャンプ家に並ぶ財閥として名の知られている家なのだ。
私はその家の長男。
いわゆる後継ぎ、という事だ。
そして金髪碧眼、高身長、高学歴、高収入という、
まさに多くの女性が憧れる理想の男性としてのステータスを兼ね備えている。
自慢ではない、事実だ。
当然であるが、この私に思いを寄せる女性は星の数ほどいる。
毎年バレンタインの贈り物や、クリスマスの予定は苦労しているよ。
もてる男は苦労が絶えないのだ。毎日デートの誘いやラブレターが届く。
はっはっは、困ったものだなあ。
そんな私は現在、とある大手の出版会社で記者として勤務している。
なぜ財閥の御曹司がそんな事をしているのかというと、
父の一言があったからだ。

「カイル、世界は広い。
お前が後を継ぐ前に世の中を見て、精神を鍛えて来い。」

そして私は父と親しくしているこの会社の社長のもと、
身分を隠して一般人として日々を生活しているというわけだ。
しかし身分を隠していても、にじみでる魅力は多くの女性を虜にしてしまうのだな・・・ふっ。
彼女たちの気持ちはありがたいが、私には彼女たちの想いに答えることは出来ないのだ。
なぜなら私には現在、今の職場に勤める同僚で、心を寄せる女性がいるからだ。

彼女の名はジュジュ。ジュジュ=フォレストという。
年は20歳。
前髪に一房青のメッシュが入った銀髪で、蒼い瞳の美しい女性だ。
彼女は腕利きのカメラマンとして日夜ゾイドの取材に情熱を傾けている。
その細い体の中に満ち溢れたエネルギーと、
快活な笑顔は正に青空を駆ける風のように心地よいのだ。
彼女に初めて会った時から、私は一目ぼれしてしまった。
体の中に稲妻が走ったかのような衝撃を受けた。
運命の出会いとは正にこういう事を言うのだろう。
彼女が私の生涯の伴侶になってくれたら、どんなにかいいだろう。
身分の差など関係ない。
私は彼女に熱烈アタックをした。
あるときには、

「ジュジュ、今夜食事でも行かないかい?
おいしいフランス料理の店があるんだ。」

しかし彼女の返事はこうだ。

「ごめんなさい、今夜中にまとめたい記事があるから。」

と、実に仕事熱心だ。
またあるときには、

「ジュジュ、今夜は遅いから私の車で送ろうか?」

しかし、彼女の返事はこうだ。

「大丈夫、私には“ヘル”がいるから。」

と、自分のゾイド、ヘルキャットに乗って颯爽と帰ってゆく。
またあるときには、

「ジュジュ、今度の週末は・・」

「ええ、弟に会いに行くわ。
もう何年も会ってなくってね。
イキナリ会いに行ったら驚くわ、きっと。」

と実に楽しそうに家族の話をする。
・ ・・そんな君も非常に魅力的なのだが。
なんだかんだで、彼女は一度も私の誘いに乗ったことがないのだ。
こんなに誘っているのに、一度も。
・・・こんなことは初めてだ。
なぜだ。
なぜ君は私のこの想いに気づかないのだ。
・・・他の女性とは違うという事か。
しかし、私はあきらめない。
必ず君を私に振り向かせるぞ、ジュジュ!

 

「先輩なら、ついさっき帰りましたけど。」

気をひきしめて、ジュジュを食事に誘おうと思ってきた私に、
彼女の助手である女性記者、アリス=ウォーカーが言った。
栗色の髪を三つ編みにして眼鏡をかけた彼女は背も低く、
童顔と幼児体型のせいで13歳くらいに見えるが、実年齢は17歳である。
非常に愛らしい外見と裏腹な冷静で真面目な内面が、私は苦手である。

「・・帰った?一人で?」

「ええ、何か人と会う約束があるからって、早めに出たんですよ先輩。
すっごくそわそわしてて、落ち着かない感じでしたね。」

そわそわ?落ち着かない?
・・・ど、どういうことだ。

「もしかしたら、恋人とかだったりするかも、しれませんねえ。」

彼女の特徴である眼鏡がキラリ、と妖しい光を放つ。
どうするんですか?と言いたげにこちらを見ている。
・ ・・何もかも見透かしたような彼女の目が、私は非常に苦手だ。

「・・・どこへ行ったか、聞いてないか?」

「知らない事もないですけど、ただでは言えません。
・・・そうですね、社員食堂のランチ一週間分で。」

「・・少々高いぞ、それは。」

思わず言うと、アリスはじゃあいいですよ、とあっさり去ろうとするので、
私は慌てて引きとめた。

「わ、わかった。払うから、教えてくれないか。」

「はい、ありがとうございます。」

アリス=ウォーカー、恐るべし。

 

 アリスの教えてくれた場所は、とある街中の喫茶店だった。
外から良く見える窓際の席にジュジュが座っているのを発見した私は、
彼女から見えない角度の少し離れた席に腰を落ち着け、
部下のデニーとココと共に彼女の方を観察していた。
太ったほうのサングラスがデニー、のっぽのほうのサングラスがココである。
二人とも、私が子供の頃から仕えている部下である。
少々間が抜けているが、私の事を良く知っており、世話を焼いてくれる。
なかなか素晴らしい部下である。

「坊ちゃん、あれはどう見ても待ち合わせの様ですぜ。」

と、デニー。
先ほどから盛んに時計を気にしている彼女を見て、そう言った。

「お前もそう思うか、デニー。」

「うんうん、俺もそう思うな。」

と、ココ。
さっきから彼はお冷やの水を盛んに飲んでいる。

「おい、ココ、お前さっきから水ばかり飲んでるんじゃない。」

「だ、だってこういうの落ち着かないんですよ、坊ちゃん。」

と、しばらくたわいもないやりとりが続く。
ココは優しいのだが、時に気が弱いのがいけない。
これでは妖しさ丸出しではないか。

「・・・しかし、ジュジュさんの待ち合わせの相手って、誰なんでしょうねえ。」

「ふん、ただの取材に決まってるさ。
彼女を待たせるなんて、たいした事はないのだろうがな。」

「でも、そわそわして落ち着きませんねえ。
早く会いたくってたまらないって感じですねえ、まるで。」

というデニーの頭上に私は一発拳を下ろした。
がん!!と鈍い音がした。

「い、痛いじゃないすか坊ちゃん!!」

周りの客にばれないよう、小声で怒鳴る。

「お前がいらん事を言うから悪いのだ!」

デニーは細かいところによく気づくが、一言多いのが余計なのだ。
ジュジュに恋人だと?
確かに彼女は美人で仕事も出来る才女だが、今までとんと浮いた噂がなかった。
一説には“彼女は人間の男よりゾイドに恋焦がれる性質なのさ”とか言われていたが・・。
そんな彼女に、恋人だと?
ふん、そのような者いるのいならば見てやろうではないか。
最もこの私にかなう男などいまい。
そう、私こそ彼女にふさわしいのだ。
そうなのだ!

「あ!坊ちゃん、あいつ!!」

デニーが今しがた店に入ってきた人物をさした。
ジュジュを見つけると向かっていって、彼女の向かいの席に座った人物。
あれは・・・たしかゾイドバトルの・・・チーム・バスターズのリーダーの・・。

「ケイン=アーサーではないか。
・・・まさか、あの男がジュジュの恋人なのか?!」

「しーっ!坊ちゃん、会話が聞こえないでしょう!!」

思わず立ち上がりそうになる私の頭をむぎゅ、と押さえつけたデニーの言葉で、はっと我に帰る。
耳をそばだてて二人の会話を聞く。
そうさ、もしかしたらただの取材かもしれないではないか。

「・・それで、結果はどうだったの?
重いの?まだかかるの?」

「ああ、軽い捻挫みたいなものさ。
でも、もう直った。安心しな。」

「じゃ、もう大丈夫なのね?
・・・よかった。
もう不安で不安で、落ち着かなかったわ。
酷い事になってたらどうしようって。」

「最初に言ったろ?安心しなって。
もうちっと俺を信用しろっての。」

「うん、そうね。ごめん、ケイン。
あ〜でも本当によかった・・・。」

・・ ・という会話が聞こえてきた。
これは・・・、かなり親しそうな雰囲気である。
しかし、これはどういう内容の会話なのだ?

「あのケインとか言う男が怪我か何かして、
ジュジュさんがそれを心配してたって事ですかね?
で、結果が大したことがなくってほっとしてる・・・、って感じですねえ。
・・・なんか、いい感じですねえ。」

デニーの推測に、私は硬直した。
ジュジュが・・・、男の怪我を心配するだと!!!
そんな・・・、そんな事がああ!

「あ、二人とも立ちました。
場所を移動するようですよ。」

ココの言葉にはっと意識を取り戻した私は、
慌てて二人の部下と共に彼らの後をつけようとした。
・・・が、しかし!
次の会話が聞こえてきた時、カイルの意識は完全に凍った。

「もう、本当にさびしかった・・。」

「そうか。」

・ ・・さ、さびしかっただと?!
そうか、だと?!
うおおお、やはりこの二人はそういう仲だと言うのかあああ!

「うおおおジュジュ〜・・・、何故だあああ・・・!」

「うわ〜坊ちゃん、しっかりして下さい!坊ちゃん〜!!!」

「いかん、早く手当てしなければ!!」

仰向けに倒れるカイルを必死に支えながら、デニーとココの二人は夜の町を駆けていった。
喫茶店でのそんなちょっとした騒動を、
当然その前に出て行ったケインとジュジュの2人は知るよしもない。

 

 その後、彼らがどこへ向かったかというと・・・。
レリードタウンという小さな町。
そこにはケイン達兄妹が営むゾイドのディーリングショップがあった。
すでに閉店時間をまわり、閉じられた店内をケインが開けると、
ジュジュはゾイドを並べてある箇所に走り出した。

「あ、ヘル!!よかったあ・・。」

一番奥に置かれていた彼女のゾイド、ヘルキャットのヘルを見つけると、
ジュジュは一目散にかけて行った。
心から安堵して足に抱きつき、語りかける。

「うーもう、本当に寂しかったあ・・。
ヘル、元気してた?
私は寂しかったよう・・。
元気になってよかった。」

「右前足が、人間でいう捻挫みたいな症状を起こしてたんだとさ。
だから走る時調子が悪かったんだ、とリッドが言ってた。
もう直したから大丈夫だって、言ってたぜ。」

ケインが後から歩いてきながらそう説明した。

「貴方の弟ってすごいわね。
ヘルの調子が悪いから見てくれないかって言ったら、もう直してしまうんだもの。
ゾイドの整備が彼の担当だったわよね?」

「・・・言っておくが、リッドにそうさせたのは俺だからな。
最初に相談してきたのも俺だろ?」

「はいはい、感謝してます。
・・・ケイン、ありがとう。本当に。」

「どういたしまして。
ゾイドのトラブルは、アーサーディーリングショップに来れば心配ないって言ってんだろ。
これで信用してくれたかい?」

ケインが意地悪く言うと、
ジュジュはくす、と眉を困ったように寄せて答えた。

「そんな事、わかってるわ。
ただ会えなくって、つい不安でね。
落ち着かなかったの、毎日。」

「まあ、その気持ちはわからなくもないな。」

・・・ここで事実を説明しよう。
3日ほど前、“ヘル”の調子がおかしい事に気づいたジュジュは、
親しい友人であるケインに連絡をして、ヘルの点検と修理を頼んだのであった。
ケインは快く引き受けてくれた。
そして今日、ヘルが直ったと連絡を受けた彼女はケインと待ち合わせをして、
ヘルを迎えに来たというわけである。
つまり、喫茶店での会話はヘルの事を言っていたのだ。
わかりやすく補足説明をすると、こういう内容である。

「・・それで、(ヘルの点検の)結果はどうだったの?
重いの?まだかかるの?」

「ああ、(結果は人間で例えると)軽い捻挫みたいなものさ。
でも、もう(足の損傷箇所は)直った。安心しな。」

「じゃ、もう(ヘルは)大丈夫なのね?
・・・よかった。
もう(ヘルがどうなってるのか)不安で不安で、落ち着かなかったわ。
酷い事になってたらどうしようって。」

「最初に言ったろ?
(ヘルの事は心配ない、)安心しなって。
もうちっと俺(達の仕事)を信用しろっての。」

「うん、そうね。
ごめん、ケイン。
あ〜でも本当に(ヘルが大丈夫で)よかった・・・。」

そしてカイルが決定打を受けた最後のセリフはこうである。

「もう、本当に(ヘルがいなくて)さびしかった・・。」

「そうか。」

・ ・・しかし、聞いていた当のカイルはこの事実を知るよしもない。
完全に誤解をしてしまった。
そして、カイルがそんな事になっているなど当然、この二人も知るはずもなし。
しばらく会話をした後、ジュジュはヘルに乗って帰ろうとした。
するとケインがこう言った。

「もう結構暗いし、夜の一人乗りは危険じゃないか?
よかったらジェノで送ってってやるよ。」

彼の相棒、ジェノブレイカーは普段、店の配達にも活躍している。
尻尾にキャリアーがついたワイヤーをくくりつけ、
修理したゾイドや注文されたパーツを運んだりしているのだ。
ケインはヘルをキャリアーに乗せ、ジュジュが暮らす町まで運んでやろうか、と言ったのだった。
当然、彼女の身を案じての事もある。
ゾイドの盗賊団や暴走族などもいて、女性の夜道の一人乗りは危険である。

「え?本当?ジェノに引っ張ってってもらえるの?!
感動だわ!!!ありがとうケイン!」

子供のようにはしゃぐジュジュを見て、
予想以上の反応に驚いたケインは思わず聞いてみた。

「・・・そんなに嬉しいか?」

当然、といわんばかりに嬉々とした表情でジュジュは言った。

「だって、ジェノブレイカーに送ってってもらえるチャンスなんてないじゃない。
魔装竜がうちのヘルを送ってくれるなんて夢のようだわ!!
どんな高級車で送ってもらうより素敵よ!
貴重な体験だわ!」

彼女の価値観は、ゾイドを中心に回っている。
リムジンと輸送用のグスタフがあったら、彼女は迷わずグスタフに乗るほうを選ぶし、
高級ホテルでの食事とシンカーレースの観戦があったら即座に後者を選ぶ
・・・そういう女性である。
人間の男よりゾイドに恋焦がれる、という言葉は、あながち間違いではないのかもしれない。

「・・・お前って・・・やっぱ相当、変わってるよな。」

初めて会った時から、そう思ってはいたが。
ケインが呟く。

「どこが?」

ジュジュには自覚がない。
自分の事にはとことん鈍いとも、言う。
彼女はあんなに熱烈なカイルのアタックに、本当に全く気づいていないのだ。
面白い同僚、としか思っていない。
彼女の頭の中はゾイドでいっぱい、仕事の事でいっぱいである。

「牽引する事でそんなに喜ぶ奴って、はじめて見た。」

「・・そうなの?」

きょとん、とするジュジュがこちらを見ている。
ケインはこれ以上言ってもこいつにはわからないだろうな、と思い話を終わる事にした。

「ま、面白いからいいさ。」

と言って。

「・・・何が?」

「何でもねーよ。
さて、じゃ行くぞ。ジュジュ。」

「あ、待ってよ!」

出発の準備を整えるべく、彼らは動き出す。

そして数分後、ヘルキャットを後ろのキャリアーに乗せたジェノブレイカーが、
夜の荒野を疾走していった。

 

 次の日。
会社に出社したジュジュは、
アリスからカイルが休んでしまったと聞き、彼の分の仕事まで回されてしまった。
机に座りいらいらしながらジュジュは叫んだ。
叫びながらも手はいくつもの書類を整理している。

「〜ったく!!
カイルってば昨日は何ともなかったのに、今日いきなり休みなんて!!
熱くらいで休みなんて軟弱者ね!!」

彼女の横の机で記事を書いていたアリスは、
先輩の怒りの声を黙って聞いていたが、ふと質問してみた。

「あの・・先輩。
昨日は修理に出してたゾイドを迎えに行ったんですよね?
それだけですよね?」

「?ええ、そうよ。
頼んだ友達と昨日待ち合わせをして、店まで一緒に行ったんだけど。
・・・それがどうかしたの?」

「いえ・・別に。
友達って、ケインさんでしたよね?
先輩と結構親しいんでしょ?」

「??そうだけど??」

何となくではあるが、
カイルの身に何が起きたのか、アリスはわかったような気がした。
思い込みが激しいカイルのことだ。
ケインを見て先輩の何だと思ったのか、大体想像がつく。

「・・・単純ですねえ。
ま、ある意味純粋ですけど。」

ぽつりと、アリスが主のいない机に向かって呟いた。

「アリス、何か言った?」

ジュジュが尋ねる。
アリスは何でもありません、と言って再び記事に目を向け仕事を再開した。

「先輩、今日のランチ、食堂に行きませんか?
私おごりますよ。」

しばらくして、アリスが提案した。

「え?どうして?」

ジュジュがそう尋ねると、

「先輩のゾイドが直ったお祝いですよ。
大丈夫、お金はありますから心配しないで下さいね。」

そう言って、アリスはにっこりと笑った。
その笑顔の裏に隠された意味などまるで知らないジュジュは、後輩の好意に素直に甘える事にした。

「じゃあ、お願いするわ。
今日はきっと残業になるわね。しっかり栄養補充しないと。」

「ほーんと、カイルさんが休んでしまって困りますねえ。
軟弱者ですねえ。」

と、アリスが何にも知りません、と言う風に話していた頃、
当のカイルはどうしていたかというとー・・。

 

「うーん、うーん、ジュジュ〜。
君にふさわしいのはこの私だああ〜・・。」

住居としている高級マンションの部屋のベッドで、熱を出してうんうんうなっていた。
彼の看病をしてるのはデニーとココの二人の部下。
サングラスにエプロンというなかなか面白くも微笑ましい格好で、かいがいしく世話をしている。

「う〜ん、40.2℃。熱、下がりませんねえ。」

体温計とにらめっこしながらココは言った。
その横でデニーが器にさっきできたばかりの料理をよそって差し出していた。

「坊ちゃん、おかゆできましたぜ。
食べてくれないと薬飲めませんから、食べてくださいや。
もしも〜し、坊ちゃ〜ん。」

しかしカイルは聞こえているのかいないのか、うわごとを繰り返すばかり。

「あんな男のどこがいいんだ〜・・・
ジュジュ〜ううう・・。」

 

「はっくしょん!!」

突如後ろでした大きなくしゃみに驚いてシエラが振り向くと、
兄のケインがぐす、と鼻をこすっていた。

「びっくりした〜・・。大きなくしゃみ。」

「ああ、悪い、シエラ。」

妹に軽く謝る。

「誰かがお兄ちゃんの噂でもしてるのかしらね?」

「・・・そうかもな。」

シエラの言葉にケインはそう答えると、ちょっと間をおいてこう付け加えた。

「どうも、やな感じだな・・。」

恐るべしウォリアーとしての勘であった。

 

 その後、カイルが職場に復帰したのは3日後であった。
その間の彼の仕事はジュジュとアリスが受け持ち、
おかげですっかり残業続きだった彼女たちはアリスの提案で、
後でたっぷりカイルにおごらせたそうな。
彼はといえばジュジュに事の真偽を聞き出せないまま、
ますますもんもんとしていったと言う。

・ ・・彼の修行の日々は長く険しい。
これから先、どうなっていくのかは、
・・・誰にもわからない。

END

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あとがき

ジュジュの仕事仲間、アリス=ウォーカーとカイル=ランスローの登場です。
彼らがどんな人物か、わかってくださったでしょうか?
かなり初期設定と性格変わってしまった(大汗)
アリスははじめこんな子じゃなかったのに(汗)子悪魔みたいになってしまった。
彼女は別に誰の恋路も応援してません。
敵でもないが味方でもない、面白ければいい、という事なのです。
実家が商売やってるんで、お金と時間には厳しいです。
カイルはハリーとトーマ合わせて割ったような感じになってしまいました・・。
世間知らずの坊ちゃんなのです。
世間の波にもまれて強くなれーという事で。思い込み激しいです。
そして自分に酔いやすい(爆)ナルーが少し入ってるかなあ。
ジュジュともども、よろしくお願いします。

ケイン君出張の許可、HAZUKI様ありがとうございました!本当に嬉しいです!
かっこよく書けるように頑張ったんですが、ど、どうでしょうか・・?どきどき。
とあるきっかけでうちのジュジュとHAZUKI様のケイン君が仲良くなったので、今回出演願いましたー。
本当にありがとうございました。
彼らの初めての出会いの話も頑張って書きますね、HAZUKI様!
ありがとうございます!

それでは、失礼します!


初心者さんから頂きました。
ジュジュとケインです。
久々にゲラゲラ笑いながら読んでいました。
もう、オチが最高です〜!
やっぱりジュジュはゾイド一本ですねぇ。
まぁ、ケインもまだその気は無いみたいですが・・・。
ケインのキャラもうまくつかめてますしね。
あと、カイルとアリスも面白かったです。
アリスはあの性格の方が面白いですね。
カイル・・・、なんかデニーとココを引き連れて、ゾイドバトルに参戦しそうですね。
でも、バスターズに軽く捻られそう・・・。
この2人(4人)も近々出したいです。
初心者さん、どうもありがとうございました〜。

 

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