「目覚め」

 

永遠という時のなかで。
私は眠っていれば良かったのかしら?
そうしたら、貴女に『貴女』を返さなくてすむから。
『貴女』という貴女を返したら。
貴女はきっと壊れてしまうから。

でも・・・。
やっぱり還さなきゃいけないね。

私は目覚めてしまったんだから。

 

誰かが来た。
私の眠るこの部屋の中に。
誰だろう・・・?

私はもう少し眠りたかった。
できれば永遠に・・・。

運ばれる。
何処に運ばれるんだろう?
私はこれから何処に行くのだろう?
ダークネスも運ばれる。
何処に連れて行かれるのだろう?
ダークネスはこれから何処に連れて行かれるのだろう?

ゾイド。
どうしてゾイドが居るのだろう?
あの時ほとんどが死滅したはずなのに。
思えば何故私は生きているのだろう?
あの時・・・。
そうだ、あの時アレは止まったはず。

アレ?
アレって何だっけ?

私、誰だっけ?
・・・
そうだ。
ダ・カーポ。
それが私の名前だ。
私の名前。
何か意味があったはずだけど・・・?

  ゾイドの荷台に乗せられ、私とダークネスは運ばれる。
何処に行くのだろう?

 

どこかの部屋に私は入れられた。
白い部屋。
私を閉じ込めているカプセルとコードが目立つ。
そうしている内に、カプセルが反応した。
私の意思とは関係なく。
次の瞬間。
私は久しぶりに外の世界に触れた。

 

私は眠かった。
久しぶりに出た『外』はとても寒かった。
裸だから当たり前だが。
白い部屋の外から、誰かが見ている。
そう思った直後。
ダークネスのカプセルも割れた。

 

ダークネスも眠かったのだろう。
私を見て、傍によって来る。
紅い瞳で私に問い掛ける。

 

ここは何処でしょうか?

知らない。

私も同じ紅い瞳で答える。
そこに、数人の人が現れた。

 

白い部屋の一部が開いていた。
たぶんそこから来たのだろう。
私とダークネスの前に立って話し掛ける。

「どうやら成功のようだ。」

「やりましたね、博士。」

「これで遺跡の解読が早まるぞ・・・!」

「我々の努力が認められますね!」

数々の言葉が行き交う。
私を使って何かを調べる事が分かる。

「オーガノイドも目覚めさせる事が出来るなんて・・・。」

「我ら帝国の勝利は近づくぞ・・・!」

「実験で大量生産も可能ですよ!」

ダークネスも何かを感じたようだ。

 

この人たちは私たちを利用する為に目覚めさした。

まったく持って不愉快だ。

ダークネスは私の言葉を待っている。
すでに私達からは此処にある状況などどうでも良くなっていた。
此処に居る人物がどんな存在であろうと。
此処がどんなに重要な場所でも。
彼等は私たちを『実験』や『研究』の為に目覚めさしたのだ。
許せるものか?

否。
許せはしない。
言葉は軽く放たれる。

「ダークネス。」

 

壊せ。

赤い池が広がる。
昔、私はその中にいた。
昔と変わらない。
アレを守る為、殺し続けた。
アレを守る為に。
同じだ。

でも、理由は違う。
違うのは風景と理由だけ。
同じものは、赤い池。
白い部屋は赤く染まる。

 

あの日々と同じ。

何も変わらない。

変わったのは世界観。
私を恐れていて、それでも感謝する人々。
彼等は、私を利用する為に目覚めさせた人々。

 

目覚めさせないでと、昔言っておいたのに・・・。

外に出る前に、布を体に包む。
モコモコと厚みのある布だ。
それを被って、外に出た。
白い廊下を裸足で歩いていく。
五月蝿い音がバタバタと響いてくる。
足音。
大勢の足音。

五月蝿い。

「ダークネス。」

壊せ。

ダークネスの背中から翼の骨組みが現れる。
そしてそれは紅い光を放ち、足音のする通路の方に向けられた。
それは紅い大きく透明な薄い剣を八枚向けられるような感じだった。
ダークネスは足音の人物たちがその通路から出てくるときを待って。

切り裂いた。

私はそんな事気にしない。
だって前からあったことだから・・・。

あれ?
前っていつの事だっけ?
何でだろう?大切だったはずだけど・・・。
確か、アレとあの子に近づく奴らにはこんな事をしたけど・・・。
アレ。アレは何だっけ・・・?
あの子。あの子とは誰だろう。

変わってしまった外の世界・・・。
砂の世界が広がる世界。
昔此処はとても綺麗な草原だったのに・・・。

世界はこんなに変わってしまった。
星は少しずつ変わる。
それがこんなに早まってしまった

どうしてこんな事に・・・。

ああ、そうか。
思い出した。
私は『ダ・カーポ』

D.C.
『始まり』を示す。

そしてあの子に返さねばならない物。
あの子は『フィーネ』

Fine
『終わり』を示す。

流転する運命。
流れる星々。
空だけが変わってない。

私たちは、いつかこの星々の下で、いずれ会う。
私ではないかもしれない。
でも。
貴女は私の『過去』にいずれ会う。
それまで、私は。

待ちましょう。
時が流れ流れ、そして貴女が目覚めるまで。
私は、待ちましょう。

貴女は私を避けるでしょう。
私の手は汚れているから。
私の姿は醜いから。

  それでも私は貴女を待つ。
私は貴女を返すまでいつまでも待ち続ける。

  ああ、いつかこの世界の『安らぎ』と『平和』の中。
貴女と共にこの世界を見渡したい。

ソレガ叶ウナライツマデモ・・・。
私ハ待チ続ケル。

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うわー前半くらいと言うかやばいです。
すいませんこんなもん送ってしまい。
と言うかこれはダ・カーポの目覚め編?
う〜ん、そうですな〜。
またバックは暗い系ですな。


桜神さんから頂きました。
その通りのダーク系の背景です。(爆)
やっぱりメールと書式が違うので、移すのに一苦労・・・。
今度はメモ帳かワードパットで送って欲しいです・・・。
さて、ダカーポの目覚めのシーンです。
フィーネと封印された時の年は同じなので、
この時は14歳となっています。
でも・・・、
やっぱり暗いですよ〜!
なんか、私よりも桜神さんの方が人を殺してますね・・・。
ちょっと考察めいたことを・・・。
謎を一個見つけたので。
というか、作ったので。(荷電粒子砲)

フィーネは“終焉”と言う意味。
ですが対のオーガノイドは白(光)色。
それに対して、ダカーポは“始まり”という意味でオーガノイドは闇色。
何か秘密がありそうです。
なんか本当に桜神さんに設定を決められているような・・・。
桜神さん、詩をありがとうございました。

 

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