「伝えたいものがあるから」
〜Calling〜

 

『この声が聞こえるかい?』

生まれてから、物心つく前から、ずっと。
ゾイド達はいつもそこにいた。
ビットと、私と、お爺ちゃんは、旅から旅へ、流浪の生活だった。
でも、いつでも、どこにいても彼らに出会った。
苦しい時も、悲しい時も。
楽しい時も、嬉しい時も。
いつもいつも、そばにいてくれた。
ビットと、お爺ちゃんと、ゾイド達がいるから。
私はいつも、笑顔でいられた。元気になれた。頑張れた。
一人じゃないから、強くなれた。

 

『今なら聞こえるかい?』

私とビットには、ゾイドの声が聞こえる。
言葉が、わかる。気持ちが、伝わる。
それは呼吸をするくらい、自然な事で。
身近な事だと思っていた。
だけど、お爺ちゃんは、「皆がそういうわけではない」と言った。
どうしてだろう?どうして皆には、わからないんだろう?
特別な事は、何もないの・・・だって、ゾイドは生きているのだから。
いつも一緒に暮らして、正面から見つめあい。
心を開いて信じること。
愛情を持って接する事・・それだけ。
彼らは絶対に裏切らない、優しい心と強さを、持っている。
一緒にいたい。共に生きたい。・・一途な願い。
どれだけの人に、届いてるのかな?
金属の鼓動、ぬくもり、彼らのおもい。
どれだけの人に伝わってるのかな?
知ってるのかな?
耳を傾けて。見つめてみて・・・本当は、誰もがわかるはずだから。
・・昔、ずっとずっと昔の世界、ゾイドと心通わす事が自然だった、
そういう時代と人々が、いたように。

 

『どうか苦しまないで』

・・・私は。
もっと多くの人に、彼らの事を伝えたい。
声を届けたい。
ゾイドは最高に素敵な相棒。
その姿を、生き様を、輝きを。
・・・伝えたい。
多くのゾイドと人が、出会い、絆をつなぎ、幸せになれるように。

「最高のパートナーに出会うことは最大の幸せであり喜び」

お爺ちゃん、そう言ってたよね?
・・・私も、何かできるかな?何ができるんだろう?
私がビットやお爺ちゃんやゾイド達と一緒にいて、とても幸せな気持ちになれるみたいに。
私も誰かを、幸せに出来るかな?
あたためられるかな?
せめて、その手伝いができるかな?
私は・・何ができるのかな?
・・ずっと、そう考えてた。

 

『汚れ無き想いが 僕らを呼んでいる I can hear the calling』

ここで見る風景も、今日でしばらく見納め。
・・ビットやお爺ちゃん達との夕食も。
今日でしばらく最後かな。

「明日、出発しちゃうんだろ?
姉ちゃん。」

「知ってたの?
お爺ちゃんに聞いたの?」

「ちょっと前からゾイド達が騒がしかったから。
姉ちゃんが行くのわかったんだ。」

「そっか・・。
ビット、私ね、カメラマンになるわ。
ゾイドバトルの。」

 

『言葉よりはやく わかりあえる 輝く瞬間 鮮やかに』

「ゾイドバトルは、バトルを通じて人とゾイドの絆を高める、
ゾイドの魅力を出す素敵な競技だと思う。
・・だから、最強のゾイド達の最高の瞬間を撮って、
気持ちを伝えられるカメラマンに、私はなる!
なってみせる!」

「そっか・・。
姉ちゃんなら、きっとなれるさ。」

「それに私も、世界中回ってたくさんのゾイドと、ウォリアーに会ってみたいしね。」

「もしかしたら、俺たちみたいに、ゾイドの声が聴ける人いるかなあ?」

「きっといると思うわ。
多くの人にゾイドの事、ゾイドの気持ちを、伝えたいの。
だから・・私、行くわ。夢の為にね。」

「頑張れよ、姉ちゃん。」

「貴方もね、ビット。
自分のゾイド、造る夢・・頑張ってね。
お爺ちゃんの事、頼むわね。」

「姉ちゃんがいなくなったら、爺ちゃんの女好きナンパ、
俺だけで止められるか不安だな〜・・。」

「いざとなったら、お婆ちゃんの名前を出しなさい。
究極呪文だから。」

「・・・うん、わかった。
・・・姉ちゃんは、最高の相棒は“ヘル”なんだよな。
俺もいつか出会えるかなあ・・。」

「貴方の相棒はどんなゾイドかしらね。
・・きっと“とびきり”すごいゾイドかもね。」

「“とびきり”最高な相棒に出会えたら、いつか姉ちゃんにも会わせてやるからな。」

「写真、撮らせてね。
私が一人前になったら。」

「約束だ!」

「約束よ!」

 

『誰にも真似できない 同じ夢を見よう Can you hear the calling?』

私はゾイドが好き。
ずっとずっと、大好き。
皆やゾイドが生きてるこの世界が、私は大好き!
ゾイドに、人に―まだ見ぬ互いの相棒に。
伝わるように。届くように。
伝えられるように。 届けられるように。
このフィールドを、どこまでも駆けて行くわ。
私の相棒と一緒に。

 

『この声が聞こえるかい?
今なら聞こえるかい?
どうか苦しまないで』

さあ、バトルの始まりよ!
行くわよ!ヘル!

END

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あとがき

こんにちわHAZUKI様。
ジュジュの旅立ち話、彼女の夢の旅立ちの始まり話です。
恐れ多くもB‘Zの“Calling”の歌詞を拝借しました。
私の必殺技、歌詞を拝借して(パクって)作品つくり(汗)でも音楽があると作り易いんですよね・・(言い訳)
ビットやジュジュは、人が人と接する事が自然な様に、
きっと古代ゾイド人が、そうであったように自然にゾイドと心通わす事ができると思ってます。
感受性が強いというのかな?
きっと、遺伝子的にもゾイドと相性いい因子が含まれてるんでしょうね(笑)
ジュジュは写真で自分の気持やゾイドの魅力を伝えると共に、
ゾイドと人の出会い、絆を見つけたい、見つめたいと思いこの仕事を選んだーというんですが、
わかりずらくてすみません・・(汗)
この後ジュジュは、自分がカメラの技を磨くなら絶対この人の下で修行したい!
と思ってたカメラマンの所に飛び込みで弟子志願します。
その人は世界中さすらいゾイドの写真を撮ってる人で、ジュジュが最も惹かれた写真は、
彼の写真集に載ってた「青空の下、荒野を疾走する“青いブレードライガー”」です(すげー設定)
彼自身、偶然に撮れた最高の一枚で、ライガーは野生です。
そしてジュジュは彼の元で三番目の弟子になります。
兄弟子と姉弟子がいて、一言で言うならアーバインさんとムンベイさんみたいな先輩(フッフッフ)
名前はディーンとアンナ。
彼らは現在結婚し、夫婦で野生ゾイド保護区の保護観察班のゾイド生態研究チームの一員として働いてます。
(野生動物の生態調査のカメラマンです)
彼らにとってジュジュは可愛い妹弟子です。
ちなみに師匠は一言で言うなら、ダンさんみたいな人です。(ハッハッハ!)
ジュジュの修行時代の話も書ければいいなあ。
先輩は、いつか出したいと思ってますが(未定だけど)
ジュジュは修行時代は髪が長かったんですが
(ちびレイヴンみたいな髪形でした)プロになってから肩まで切りました。
13で弟子入り、17でプロ、就職。
ケインと出会ったのは2年後。
弟と再会したのはさらに1年後になります。
・・・ここまで設定浮かぶ自分がすげえ、恐ろしい(|||)
では、失礼します。
・・もらって下さい・・。


初心者さんから頂きました。
今度はジュジュの旅立ちです。
彼女も夢を追いかけて、ヘルと共に旅立っていきます。
で、夢が叶って、今の彼女がいるんですよね。
そして、ケインと会って、ビットと再開して・・・。
いつか、弟子入りした写真家、それと兄弟子達も出して欲しいですね。
ビットは最高の相棒と出会いましたね。
しかも、究極のゾイドと・・・。
この姉弟、もう申し分ないと思います。
後は、いつ結婚するかだけですか。(笑)
初心者さん、どうもありがとうございました。

 

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