「ナオミ争奪戦勃発?」
〜テリー・ファイン登場〜

 

   トロスファーム前 AM 10:17

「出て来い!!
ビット・クラウド!!」

トロスファームの前でなにやら男が怒鳴っている。
後ろにライオン型ゾイド、そしてその格好、どうやらウォーリアーのようだ。

「出て来い!!
ビット・クラウド!!」

男がもう一度同じことを言ったとき、二人の男が出てきた。

「誰だよ、うるさいなー。」

「まったくだな。」

金髪の男と、茶髪でロングヘアの男、といえばビットとバラッドである。

「ビット、もう1度俺と勝負しろ!!」

男はいきなりビットに向かって言い放った。
ビットはいきなりのことで驚きながらも、

「別にいいけど、お前誰だっけ?」

といった。

「なっ・・・、俺の名はテリー・ファイン。
お前が5ヶ月前に倒したウォーリアーだ!!」

テリーがそこまで言うと横からバラッドが話しかけた。

「で、ビットに再戦を申し込んだと、そういうことだな?」

「そうだ。」

「再戦はいいんだけど、この前とライジャーの武装違ってない?」

ビットが後ろのライジャーの武装に気づきテリーに聞いた。

「この武装配置にすると最高速度が295km/hまで落とせる。
この前のような負け方は二度と起こらないという訳だ。」

その言葉に引っかかりを感じたバラッドがビットに質問しようとした時、
トロスファームにもう一人の訪問者が紅いガンスナイパーで訪れた。
もちろんナオミである。
それに気づいたテリーがナオミの方を向くとまるで稲妻に打たれた様なショックを受けた。
彼も写真等でナオミのことは知っていたが実際に見るのは初めてだった様だ。
そして一目ぼれをしてしまったらしい。

「バラッド、準備できてる?」

それに答えようとしたバラッドの横を、イェーガーも真っ青のスピードでテリーが駆け抜けた。
そして、

「ナオミさん、これから俺と一緒にどこか出かけませんか?」

と歯をキランと輝かせつつナオミを誘った。

『は?』

そのあまりにも唐突な展開にビット、バラッド、ナオミは口をぽかんと開けてあっけにとられた。
ビットは(これから、俺とバトルするんじゃなかったのか?)と思ってあっけにとられ、
バラッドは(ナオミはこれから俺とデートに行く約束をしてるんだが。)と思っており、
ナオミは(誰?この人。)なんてことを考えていた。
そして、この集団フリーズ状態からいち早く回復したのはバラッドだった。
そして、ナオミとテリーの間に入ると

「お前何のつもりだ?
ナオミはこれから俺と出かけるんだ。
邪魔をしないでもらおうか。」

と言ってテリーを少しにらんだ。
その言葉にテリーは、

「なら、俺とゾイドバトルで勝負しろ!
ナオミさんとのデート権をかけてな!!」

と返した。
この言葉に納得がいかないのはビットとナオミである。
2人はテリーに近寄り一斉に質問を浴びせた。

「おい!俺とのバトルはどうするつもりだ?」

「私はバラッドと一緒に出かけるの!
と言うかあなたは誰なの?」

この2人の質問に一瞬、びびったもののテリーはすぐに調子を取り戻しこう宣言した。

「と、とにかく!バラッド!
いますぐに俺とバトルをするんだ!!
お前がバトルを受けるまでここを動かんぞ!!」

それだけ言うとすぐにライジャーに乗り込んだ。
それを見てビットが

「どうするんだ?バラッド。」

とあきれつつバラッドに聞いた。

「ポイントも賞金も手に入らないから、無視してもいいんだが、あいつしつこそうだからな。
一応決着をつけるさ。
そういうことでビット、ナオミ審判は頼むぜ。」

そういって、シャドーフォックスの方へ歩いていった。
その答えにビット、ナオミは少し不満そうな顔をしていたがすぐに気を取り直した。

「まあ、しゃあねえか。
じゃ行こうぜナオミ。」

「わかったわ。」

そう言って二人もライガーゼロ、ガンスナイパーに乗り込んだ。

 

   バトルフィールド予定地 AM 10:52

「よし、じゃあこの地点から半径4km以内をバトルフィールドにするぜ。
いいな?」

「わかった!」

「ああ、こちらも了解した。
それよりビット、ナオミはどうした?」

バラッドが姿の見えないナオミに気づきビットに聞いた。

「ナオミなら、この地点のちょうど反対側にある高台に待機してもらってる。」

「そうか。」

それだけ言うとバラッドはテリーの方に向き直った。

「そろそろ、始めるか。」

「おお!!」

バラッドの問いにテリーが答えた。

「それじゃ、始めるぜ。
バラッド・ハンターvsテリー・ファイン。
バトルモード0992、レディー・・・ファイッ!!」

ビットのバトル開始の掛け声とともに、フォックスとライジャーが同時に地を蹴る。
2体の距離はだんだん縮まっていく、その時急にフォックスの前足が光を帯びた。

「いくぜ!ストライクレーザークロー!!」

バラッドの叫びとともにフォックスがジャンプした。
そのままライジャーの前足に向かって突っ込んでいく。

「当たってたまるか!!」

そう言うとテリーはライジャーを高くジャンプさせ、
そのままフォックスのレーザークローを避けて、その頭上を跳び越した。

「なに!?」

バラッドはこれにかなり驚いていた。
まさか、避けられてしまうとは思っていなかったからだ。
しかし、さすがはSクラスウォーリアーである。
すぐに体勢を整えると、そのまま走っていった。

「逃がさんぞ!!バラッド!!」

それを追っていくテリー。
そして、フォックスをキャノンの射程内に捕らえた瞬間、それは起こった。
突然、フォックスの尾が上下に開いたと思うと筒状の物体を発射、
そして小さな爆発音と共に筒が展開、ネットを吐き出したのだ。

「な、なんだこれは!?」

当然、テリーがこれを避けられるはずも無く、ネットはライジャーの体に絡みついた。

「くそ!こんなもの噛み切ってやる!!」

そう言ってテリーがレーザーファングでネットを噛み切ろうとしたその時、
ネットが今度は電流を発生させた。

「だあああああ!!」

こうして、ライジャーはシステムフリーズを起こし行動を停止した。
それを確認したビットが、

「バトルオールオーバー、バトルオールオーバー!!
ウィナー、バラッド・ハンター!!」

と宣言した。
その言葉に答えるように、フォックスは甲高い叫び声を上げた。

 

   トロスファーム前 AM 11:07

「くっ、負けてしまった。」

トロスファームの前ではテリーが落ち込んでいた。
ちなみにライジャーに絡みついたネットはきちんと取り除き、システムもきちんと通常モードに戻してある。
そんなテリーにバラッドが声をかけた。

「とにかく約束は守ってもらうぞ。
ナオミに二度とちょっかいを出すんじゃ・・・。」

そこまで言ったときに急にテリーが立ち上がりバラッドに向かって叫んだ。

「今回は負けたが俺はあきらめたわけじゃない!!
いずれリベンジをしてやるー!!」

そしてさっさとライジャーに乗り込むと走り去ってしまった。
その言葉にあっけにとられているバラッドとナオミにビットが話しかける。

「こりゃ、当分追い回されるぜ。
まあ、二人とも運がなかったと思って諦めるんだな。」

ビットの言葉にバラッドとナオミは深いため息をついた。

終わり


吉川さんから頂きました。
とうとう出ましたね、テリー・ファイン。
本当にハリーみたいな性格ですね・・・。
あと、カイル(初心者さんのオリキャラ)も入ってるか・・・。
どっちにしろ、ストーカー気質と言うことですね・・・。
ああ、バラッド達が災難・・・。
なんか、ハリーと手を組んで、ビットとバラッドに挑戦しそう。
にぎやかしがまた増えましたね。
吉川さん、どうもありがとうございました。

 

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