「初恋」

 

 それは、彼女にとってどうでもいい日だった。
それが、彼女が初めて彼を見た日。
その日は、DS団のチーム・ガンナーズを罠にかけ、撃退した日だった。
出動命令の下されていなかったセリエル・クワイエットはダークバスターの本部で、その一部始終を見ていた。
いつもの彼女なら、少し見てどこかへ行ってしまうのに、このときは違っていた。
目が離せずにいたのだ。
バトルでもなく、味方でもなく、敵であるシュダ・ウィンディッツという男の戦いを。
彼の戦い方を『似ている』と思った。
彼は『勝利』より『強さ』に執着している感じがしたのだ。
それは、彼女が『勝利』より『全力で戦えること』に執着しているのと少し似ている気がした。
『勝利』より、『互いに違うもの』に執着している2人。
似ているようで、違う戦い方。
その日、彼女は『言葉に出来ない気持ち』を知った。

 

 その日から、彼女にある症状がでた。
寝れない夜が続いたり、溜息をつく回数が増えたり、人の話も上の空だったり、
時折、胸を締め付けられる想いをしたり。

 

その日から幾日か経って、彼女は自分の妹のところへ言っていた。

「すいませーん」

「ハーイ」

みゅんみゅんみゅんみゅん・・・・・

セリエルが大声で声をかけると、中からロボットが1体でてきた。

「どちらサマでショウカ?」

「レミエル・クワイエットの姉で、セリエルというものです。
妹はいますか?」

「マア、レミエルサマの。
ドウゾ中にお入りくだサイ。
すぐお呼びしますノで」

そういわれ、彼女は中に案内された。

 

数分後・・・・。

「セルちゃん!?」

彼女の妹、レミエルが接客室(あるのか?)に入ってきた。

「よおレミ、元気にしてた?」

彼女は笑顔で聞いた。
人見知りする彼女が、身内だけに見せる笑顔。

「私は元気にしてます。
ところでセルちゃん、どんなご用でここへ?」

「ああ、レミの未来の旦那がどんな奴かと思ってね」

実際、彼女はこのことを気にかけたいた。
だが、

「それだけじゃないんでしょう?」

レミエルは笑顔を崩さず問いかけた。

「やっぱ、わかる?」

「似ていませんけど、双子の妹ですから。
多少の違いはわかります」

そう、この2人は全くと言っていいほど似ていない。
まずセリエルは、黒髪のショートカット、銀眼、
少しツリ目なのできりっとした顔立ちだが、笑うとレミエルによく似ている。
右だけにブルーのムーンストーンのピアスをし、ラフな服装を好む。
レミエルはセリエルと逆で、銀髪のセミロングの三つ編み、黒眼、
おっとりとした顔立ちだが、バトルの時のキリッとした顔はセリエルとよく似ている。
左だけオレンジのムーンストーンのピアスをし、軽いワンピース生を好む。
そして2人とも、両手首に細いシルバーのチェーンの3連ブレスレットをつけている。
言葉遣いを見て貰えばわかるが、性格も全然違う。
話を2人の会話に戻そう。

「レミ、なんか私、最近変なんだ」

「どんな風に、ですか?」

まじめな顔で話し出す彼女にレミエルは聞いた。

「眠れない夜が続いたり、胸の当たりが、なんつうか、締め付けられる?感じかな」

彼女は、最近自分のみに起きたことを細かく説明した。
するとレミエルは、何かわかったようにほふっと手を合わせ、

「セルちゃん、それはきっと、『恋』ですよv」

と、笑顔で言った。

「鯉?」

「そういうギャグはもうウケないですよ?」

レミエルの鋭いツッコミが決まった。

「ところでそれは、いつ頃から起きてるんですか?」

やはり笑顔は崩さずに問いかけてきた。

「数日前に、あるバトルのウォーリアーを見てから」

「その人は男性でした?」

「うん」

「どんな人ですか?」

「わからない、話したこと無いから。
でも、辛そうに戦ってた」

彼女の答えを聞き、レミエルは確信したように笑い、

「じゃあ間違いないですね。
それは恋です。
しかも一目惚れですね」

と、言った。

「よく、わからない・・・」

彼女は頭をかきながらぼそっと言った。

「それなら、多分初恋ですよ」

「はつ・・・こい・・・・・?」

彼女はわからないと言うように首を傾げた。

「今はよくわからないかも知れないですけど、少しずつわかります」

レミエルはそういって、最上級の笑顔を見せた。
この日、彼女はこの気持ちが『恋』であることを知った。
彼を初めてみたその日、彼女は彼に『恋』をした。

END

おまけ

レ「セルちゃん、その人の写真とかありますか?」

セ「あるにはあるけど?」

レ「見せてくださいvセルちゃんの好きになった人がどんなひとなのか気になるんですvv」

セ「はい、この人」(写真を渡す)

レ「・・・・・・(ぴしっ)」(笑顔が凍る)

セ「どうかした?」

レ「セルちゃん!この人の何処が良いの!?
  どう見ても悪人じゃない!」

セ「うん、悪人だよ」

レ「セルちゃんかわいいんですから、早まらないでください〜!(泣)」

今度こそEND

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アトガキ
俺のオリキャラでは一番ダークホースかも知れないセルことセリエル・クワイエット登場〜!!
いや〜、ほんとなんでシュダなんでしょう?
俺の海○好きが影響したのでしょうか?
しかし、書いてるうちにセルとレミ、とっちが姉だかわからなくなってきました。(爆)
まあそれはおいといて、ダークバスターのセルとDS団のシュダ、
ある意味ロミジュリな2人(大爆笑)ですが、結末はどうなるのでしょう?
その前にシュダをセルに会わせる必要があるんですよね?
そうしないと一方通行だから・・・・。
とりあえず、ここまで読んで下さってありがとうございました。


千夏さんから頂きました。
シュダに恋するって・・・、どうなんでしょうね?
あの蛇顔に・・・。
まぁ、気長に付き合って下さい。
人との関係を絶ってますけどね。
しかし、似てないですね・・・、この双子。
結構面白くはなってきましたけどね。
千夏さん、どうもありがとうございました。

 

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