「偶然の出会い」

 

 惑星Ziの西方大陸南方に位置するウォタルー山脈。
その近くにガイロス帝国軍の所有するリヴァプール基地がある。
そろそろ夕日が沈もうとする時刻、その基地のゾイド倉庫で淡い茶髪の青年が一人、
彼の愛機のガンスナイパーの整備をしている。

「どうだスナイパー、調子は良くなったか?」

グギャウ

彼の問いかけに緑色のガンスナイパーは元気な泣き声をあげた。

「・・・・・・、そうか。
じゃあ、後は細かい調整だけしておくぞ。」

この後、彼は細かい調整をする為に再び作業に戻った。
だが、その作業の途中に彼の方へ近づいてくる者がいた。
青年はその気配に気付き作業の手を止める。

「久しぶりだな、コナン。」

彼はこの声の人物の見当をつけつつも、一応声のした方へ向いてみた。

「トーマ・・・・・。」

そう、彼に声を掛けたのはトーマ・リヒャルト・シュバルツ。 
彼とその青年コナン・ハーティリーは幼い頃からの親友で共にガーディアンフォース隊員になっている。
もっとも彼等が親しいのは親同士の交流が深いからでもあるが。

「お前と会うのは3ヶ月ぶりだ。」<トーマ>

「そうだな。
・・・元気そうでなによりだ。」<コナン>

「そっちもな。
お前はゾイドの整備か?」<トーマ>

「ああ、こいつはデリケートだから。」<コナン>

「・・・じゃあ、俺はビークの整備でもしてくるか。」<トーマ>

その後、彼等はそれぞれの愛機の整備に取り掛かった。
その場に少しばかりの沈黙がおちる。
すると、その沈黙を破って不意にコナンが口を開いた。

「トーマ、彼女が出来たんだってな。」 <コナン>

「ああ、そうだが。
それがどうかしたか?」 <トーマ>

「別に・・・、聞いてみただけだ。」 <コナン>

「相変わらず無愛想だな、お前は。
そういうお前はどうなんだ、コナン?
お前みたいな奴は女性が放っておかないだろ。」<トーマ>

「俺はそんなのに興味は無い。
けど、・・・・気になる人が・・いる。」<コナン>

「へっ?」<トーマ>

トーマは彼と他愛無い会話を交わしながら、コナンの無愛想さに呆れていた。
しかし、コナンがぽつりと洩らした言葉にトーマは驚いてしまう。
それもそうだ、コナンの口からそんな言葉が出るとは思わなかったのだから。

「何だよ、そんなに驚いて。」<コナン>

「・・・・あ、いや、お前にしちゃ珍しいから。」<トーマ>

トーマの反応に少し機嫌を悪くしたコナンにトーマは慌てて弁明をする。

「・・・よく分かんないけど、気になるんだ彼女の事が・・・・・。」<コナン>

「コナン、それは『恋』だ。」<トーマ>

「恋?」<コナン>

「そうだ。
お前は彼女の事が好きになったんだよ。」<トーマ>

「・・・・・・・。」<コナン>

どうやら彼にはトーマの言った事がよく分からなかったようだ。
だが、コナンは頭の中である事を思い出していた。

 

 それは2週間前の事だ。
彼はもう一つの愛機レイノスを駆って西方大陸で一番北に位置するアークティックタウンへ向かっていた。
タウンの東側の荒地にレイノスを停めた後、彼は町に繰り出していった。
町に入った後、彼はこの町の西はずれにあるというとある場所に向かう。
町の西はずれ。
『 Doyle's  Waffe  Laden 』 (ドイルの武器屋)と書かれた看板のある、
茶色のレンガ造りの建物の前でコナンの足が止まった。
彼はその店をちらりとみて中へと入っていった。

「こんにちは、誰かいますか?」<コナン>

彼が店の受付のカウンターから声を掛けると、

「客か?
悪いがそこで待っててくれ。」

という返事が奥から聞こえてきた。
2、3分後、紫色の髪を短く刈上げた40代くらいの男性がカウンターに姿を現した。

「お客さん、今日は何の用だい?」

「銃の調子がいまいちなんだ。
見てくれ。」<コナン>

そう言って、コナンは愛用の銃ニーベルゲンWR06型をカウンターに置いた。
実は、2日前彼は銃の調子が悪い事に気付き姉のレックスに相談をした。
そして、その時に彼女からこの店の事を聞き今に至っている。
それはそうと男性はコナンの銃をみて一言。

「あんたの銃は今の所大きい異常は無い。
けど若干修理の必要があるな。」

「時間が掛かるのか?」<コナン>

「まあ多少は掛かるがな。
でも、せいぜい30分ってとこだから適当に時間を潰せばいい。」

「分かった。
じゃあ、30分後に。」<コナン>

武器の修理に少し時間が掛かると分かったのでコナンは一旦店を出て適当に時間を潰す事にした。

 

 店を出てから2、3分後、コナンは町の中を適当に歩いていた。

(時間を潰すっていうけど、特別にする事もないな。)

そう心の中で呟いて彼は雑貨を売ってる店を通り過ぎようとした。

「きゃっ、何するんですか!」

急に、その店の路地裏から女性の悲鳴が聞こえた。
彼が声のした方へ行くと3人の男性が1人の黒髪の女性を取り囲んでいる光景が目に飛び込んできた。

「放してください!」

「そう言わずに、俺等と酒の一杯くらい付き合ってくれよ。」

「そうそう。」

どうやらこの女性はその男性達に絡まれてるようだ。

「お断りです、そんなの。」

彼女は誘いを断りそこから出て行こうとしたが男性の1人に腕を掴まれてしまう。

「あっ、待ちやがれ。」

「くっ。」

だが、次の瞬間第三者によって彼女の腕を掴んでた男の手が離された。
突然現れた淡い茶髪の青年に男達は驚いてしまう。

「あんたら、何やってんだこんな所で。
それに思ったけど、酒臭いんじゃねーか、お前ら。」<コナン>

「余計な事を。」

 「うだうだ言ってんじゃねぇ。」

その言葉と共に1人の男性が青年に向かってきた。
しかし、青年は余裕でそれを避けてその男性の腹にパンチをくらわす。

ドスッ。

「ぐはっ。」

続いて向かってきた男性の顔面に蹴りをかまし、残りの男性に後ろ蹴りをかましておいた。

「痛えーー!」

「ちくしょー。
覚えてやがれ。」

「とにかく・・・・行くぞ。」

3人の男性はそれぞれ捨て台詞を残してとっととその場を立ち去って行った。

「あの・・・助けてくれて有難う。
私はサリア・ヘルシング。
あなたの名前は?」

「俺はコナン・ハーティリー。
あれは別に気にしなくていいよ。
後、言っておくけど、この辺は警備があまり行き届いてないから気を付けてくれ。」<コナン>

「あなたの名前、コナンっていうんだ。
今度から気を付けるわ。
それじゃ、私はこれで。」<サリア>

その後、彼女はその場を去りコナン一人だけが残った。
だが、それ以来かれの心にはある変化が起こっていた。
修理の終わった愛用の銃を受け取り基地へと戻る道中、彼はこのような事を思っていたという。

(サリアさんか・・・、彼女にまた会えるといいな。
・・・って何考えてんだろ、俺。
ほんの少ししか会ってないのに・・・、彼女の事が気になってしまう・・・・・。)

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アトガキ

葉月雄也さん、こんにちは。
初めてコナンをメインに小説を書いてみました。
一応、エスケーパーさんのキャラ、サリアさんとコナンとの馴れ初めなのですが、
上手く書けてないかもしれません。(汗&爆)
しかも、葉月雄也さんやエスケーパーさんに手間を取らせるような事がありましたから。
でも、こんな駄文ですが気に入ってくれたら幸いです。
では、これで失礼します。


Yukiさんから頂きました。
サリアとコナンのお話です。
まぁ、キャラで分からないことは本人に聞くのが一番ですね。
何でも自分でやろうとすると失敗が多くなるので・・・。
サリアとコナン、今後どうなって行くんでしょうね。
結構気が強いキャラなので、コナンは大丈夫でしょうか?
料理も下手だし・・・。
Yukiさん、ありがとうございました。
(相変わらず感想になってない・・・。)

 

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