「パーツ屋大騒動!」

 

「うわ〜、今度こんなパーツ屋さんが出来たんだって〜。」

次のバトルに向かって、ホバーカーゴで移動中の『チーム・ブリッツ』の面々。
色鮮やかなチラシを見て、リノンが嬉しそうな声をあげた。

「ええ〜と、それ自体が大きな街、超巨大店舗がオープン!
ゾイドと共におこしをお待ちしております・・・だって。
ゾイドを預かってくれる所もあるんだ〜。リノンここ行くの?」

ピンク色の髪を揺らしてはしゃぐリノンの後ろから、金髪碧眼の少年が顔をだした。

「あ、そう言えばビット、あんた昔はジャンク屋やってたのよね〜。どう?このお店。」

「え?どうって、何が?」

リノンの言葉に首を傾げる金髪碧眼の少年・・・ビット・クラウド。
ひょんな事からブリッツのゾイドウォリアーになった元ジャンク屋に、
彼女はぷぅっと頬を膨らませた。

「も〜!!
品揃えが良さそうか〜、とか!掘り出し物がありそうか〜?とかを聞いてるんでしょ!!」

「え〜?そんな事言われても・・・・。チラシ見ただけじゃわかんないよ。
やっぱり実際に行ってみないとなぁ・・・。」

そう言って頭をぽりぽりかいたビットに、リノンはにやっと笑った。

「気をつけろよ、ビット。
リノンはお前をパーツ屋に引きずっていく気だぞ・・・。
荷物持ちだな、たぶん。」

「ええっ!?」

2人の向かい側に座っているバラッドが、コーヒーを飲みながらビットに告げた。
慌ててリノンの傍から離れるビット。
バラッドは長い髪をゆらして笑っている。

「ダメですよ〜、リノンさん。
ビットさんに無駄遣いさせちゃあ・・・。
ビットさんはライガーゼロの換装パーツの開発費で借金背負ってるんですから・・・。
この頃条件のいいバトルが続いてますから、大分減ってきましたけど・・・。」

モニターの前のコンソールで、なにやら作業をしていた黒い髪の少年・・・ジェミーがふり向いた。

「なぁんだ〜。
じゃ♪いいじゃない〜。
別にビットにおごってもらうわけじゃないもん。
さ、ビット、早速行きましょ!
お店の場所はこの近くだし・・・。」

ジェミーの言葉ににっこり笑ったリノンはチラシを見つつ、
じたばた暴れるビットを引きずって出入り口に向かう。

「ちょ、ちょっと待て!
俺はまだ、行くなんて言ってないぞ!!」

「そろそろライガーゼロの散歩の時間でしょ〜?
ついでくらいいいじゃない♪」

「荷物持ちなんて嫌だ〜!!」

必死に抵抗するビットは、祈るようなまなざしでバラッドとジェミーの方を見たが。

「ビット・・・お前の犠牲は無駄にしないぞ・・・。
夕食の時、オカズを一個分けてやる。」

「ビットさん、行ってらっしゃ〜い!
僕はデザート半分あげますから。」

返ってきた無情な台詞に、

「薄情者〜!!」

・・・と叫びつつ、為すすべも無く引きずられて行ったのだった・・・。

 

*    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *  *

 

「おおお〜!!スゲェ〜っ!!」

ビットが超巨大なパーツ屋の店舗を前に雄叫びをあげている。

(来るときはあんなに抵抗したくせに・・・。私より喜んでんじゃない・・・)

はしゃぎまわり、あちこち見て回るビットを見て、リノンは苦笑した。
ホバーカーゴから出発したビットとリノン。
それぞれの相棒ゾイド、ライガーゼロとガンスナイパーをとばすこと10分。
荒野のど真ん中に在るものの、
元からあった街と半ば合体するような形になっている、超巨大パーツ屋はあった。
チラシにも書いてあったとおりだ。客に困るような事はないだろう。

「何やってんだ〜、リノン!早く行くぞ!!」

「ちょ、ちょっと待ってよ〜!!」

超巨大店舗の傍に作られた、これまた超巨大なゾイド預かりスペース。
そこでライガーにおとなしく待っているように言ったビットは、
すぐさま店の入り口に走って行ったかと思うと、
雄叫びをあげてはしゃぎ始めて、彼女は苦笑したというわけである。
さて、店が巨大なら、中に入ってもさぞ凄かろうと予想して入った二人だったが・・・。

「あれ?パーツを置いておくところとか・・・。」

「ゾイド調整ドックとかはないの?」

店の中はかなりの客入りだったが、大きな棚がいくつもあるばかりで、
彼らがいつもいくパーツ屋のようにパーツが展示してあったり、
注文して取り寄せたパーツをゾイドに取り付ける為の調整ドックなどは影も形もない。

「・・・・この棚、パーツの絵と名前を書いた紙がいっぱいつるしてあるぞ、リノン。」

「ははぁ〜ん、なるほど。
この紙を持って行けば、係の人が倉庫に案内してくれるのよ、きっと。
紙だから省スペースだし、だからこんなものすごい品揃えができるのね。」

リノンはそこらの棚をびっしり埋め尽くす紙の大群を見上げた。

「ええと・・・当店では、パーツを工場直通の一括大量仕入れ、
ゾイドへの取りつけをお客様にお願いする形で、他に類を見ない低価格を実現しております。
ゾイドへの取りつけをご希望のお客様はお気軽に係員にお申し付けください。
別料金にて承っております・・・、かぁ。」

「あら、確かに安いわ♪」

パーツの見本紙の裏を読むビットの声に、値段を見るリノンは、嬉しそうな声をあげた。
この店にくる主な客・・・ゾイドウォリアーは、たいていが何らかのチームに所属し、
調整ドックを使える事が多い。
ゾイドに乗ってここに来て、パーツを運んで帰れば、パーツをとりつけ代だけ安くなる、というわけだ。
客入りも多くなろうというものである。

「お客様、何かお探しですか?」

「あっ!店員さん?ガンスナイパーにとりつけられるパーツを探してるんだけど〜。」

「え〜?お前まだつけるの〜?」

嬉しそうにパーツの見本紙を選ぶリノンの傍に、店員がやってきた。
辟易としたふうのビットにも尋ねてくる。

「お客様は、何をお探しなのですか?」

「え?う〜んと、俺は・・・。」

いろいろパーツの見本紙を持っている(リノンに持たされた)ビットが首を傾げていると。

「動くな!!」

「はぁ?」

「何かしら今の〜?」

レジの方から聞こえたその声に反応するビットとリノン。
棚からちょこん、と顔を出して、声のした方を見やった。

「あれは・・・」

「もしかして・・・」

レジカウンターの中にいる店員と、その周りの客が銃をつきつけられて、手を上げている。
その隣には、ロープでぐるぐるに縛られて転がされてる客もいた。

「なぁリノン、俺が思うに・・・」

「強盗じゃないか、って言うんでしょ?
そんなの、あんたに言われなくたって分かってるわよ!」

「そんな大声で言ったら気づかれちゃうだろ!
ここはそ〜っとあそこの非常口から・・・」

「そうね、店員さんと一緒に警察に・・・・」

姿勢を低く、手を地面についてそろそろと移動する2人。
・・・だが、しばらくしてリノンが急に止まったので、
ビットは彼女のお尻に顔をぶつけそうになって、慌てて止まる。

「ぷわっ!なんだよリノン、急に止まるなよな!」

「だ・・・だってぇ・・・!」

小声で悪態をつくビットに、リノンが頬を膨らませて前を指差す。

「そんな事をされては困りますな、お客様。
私と一緒に、来て頂きましょうか。」

にやにやしながら自分達に銃を向ける先ほどの店員を見て、ビットとリノンは固まった。

「な・・・はは、はははは…。」

「そ、そういう事だったのね・・・」

手を頭上に上げる2人。彼らが持っていたパーツの見本紙が、はらはらと床に落ちた。

 

*    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *

 

「あ〜、ジェミー。ニュースでこれからのゾイドバトルの動向をみようじゃないか。」

「そんな事言いながら、自分では動こうとしないんだから・・・。」

『チーム・ブリッツ』のホバーカーゴ。
ゾイドのプラモを夢中になって組みたてているトロス博士に、ジェミーは悪態をつきつつコンソールを操作。
大型モニターにニュースが映る様にした。

「ん・・・?あれはビットとリノンが行ったパーツ屋だな。」

「変ですね、いつもこの時間はゾイドバトルニュースの筈なのに。」

「臨時企画か?」

トロス博士と、相変わらずコーヒーを飲んでいるバラッドがモニターの前にやってくる。
彼らが見ているモニターには、何やら慌てた風のレポーターと、
ビットとリノンが行った超大型パーツ店が映っている。

「え〜、この時間は予定を変更してお送りします!
先日できたばかりの超大型パーツ店に強盗が押し入りました!
中には多数の店員と買い物客の方々が人質としてとらわれている模様で・・・」

レポーターの言葉に、博士はプラモのパーツを取り落とし、
バラッドはコーヒーを吹き出して、ジェミーは椅子から転げ落ちた。

「えええええ〜?!」

一瞬の間。その後、一同の驚きの声がホバーカーゴに響き渡ったのだった…。

 

 さてさて、その頃。人質にされたビットとリノン、その他大勢は、というと…。

「はぁ〜。」

「はぁ〜、じゃないでしょ、もう!これからどうすんのよ〜!」

縄でぐるぐるにしばられて、ため息をつくビットにリノンがどなっている。

「こら!静かにしろ!!」

「ひぃっ!」

「ううう撃たないでっ!」

強盗グループの一人に銃を向けられて震えあがる2人。

「はぁ〜。リノ〜ン。俺思ったんだけどさ〜。」

「・・・・今度はなによ・・・。」

先ほどの事で学習したのか、小声のビットとリノン。

「“ゾイド乗り ゾイド降りれば ただの人”・・・・なぁ〜んちゃって」

「・・・・・あんたってひとはぁぁぁぁぁっ!こんの非常時に何言ってんのよっ!!」

「い、いた、痛いって!り、リノンやめろ〜!!」

リノンは自由になる両足で、ビットを蹴りまくった。
スカートでそんな事をすると、(いろいろな意味で)危ない事この上ない。
ビットが分かってやっているのかは、分からないが。

「そこの2人!!」

「「ひいっ!ごめんなさい!!」」

再び彼らに向けられる銃口!2人はくっつきあって震えあがったのだった・・・・。

 

「ああ、もしもし、トロスだが。ハリー君かね?」

「はい!<王者となるべくして生まれてきた男>、ハリー・チャンプに何かご用ですか?
リノンとデートさせて貰えるんですか?!
バトルの申し込みは連盟を経てから・・・。」

「どっちもちがう!!」

ビットとリノンがくっつきあって震えていた頃、
ホバーカーゴでは、トロス博士がハリーに連絡をとっていた。

「ニュースを見たまえ!
超大型パーツ店に強盗が押し入ったニュースがやっているだろ。
その事件で、リノンが人質として囚われているのだ!!」

「ええええっ!?」

「リノンの身に何かあったらと思うと、私は・・・私は・・・!!」

モニターの前で泣きまねをするトロス博士。ジェミーとバラッドは、

「ハリー・・・可哀想なヤツ。」

「ハリーさんの恋心をもてあそぶなんて・・・。
博士って悪人ですよね〜。」

ひそひそ囁きあった。
博士はリノンを好きなハリーを利用して何かしようと考えているようだ。

「おとうさん!任せて下さい!
リノンは必ず僕が救い出して見せます!!」

「お〜。頼むよ〜。
もしリノンを助けることが出来たら、
<ハリー、私の為に・・・>とか言ってもらえるかもしれないしな。」

「はい!
<王者となるべくして生まれた男>ハリー・チャンプ、行って参ります!!」

「お〜。行ってらっしゃい〜。」

モニターからハリーの顔が消えると、博士はにやり、と笑った。

「よっしゃ!<ハリーにリノンを助けてもらおう作戦>大成功!」

ガッツポーズをする博士に、ジェミーとバラッドはため息をついたのだった。

 

「よし・・・こいつらのゾイドを運び出せ・・・。」

パーツ屋の中では、リーダー格の男が部下たちに命じていた。

「なっ・・・・こ、こら!俺のライガーをどうする気だ!!」

「そーよそーよ!あたしのガンスナイパーに手を出したらただじゃ済まさないわよ!」

ぶーぶーぶーぶー!

この店に来ていた客(八割がたがゾイドウォリアー)の不平不満が爆発した。
ウォリアーという荒っぽい商売がら、あまり強盗達の脅しにもびびっていないようだ。

「こ、こらお前達!静かにしろ!!」

強盗の制止にも、客達のブーイングは止まらない。

「リノン、今のうち今のうち。」

「へ?」

靴を脱いだビットの足の指が、器用にリノンが縛られた縄の結び目を解いている。

「俺のも頼むよ。」

「あんた器用すぎ・・・」

騒ぐ客達に隠れて、リノンはビットの縄を解く。
彼女は、始めてビットがブリッツに来た時、
縛られたまま足で器用にメシを食っていた事を思い出した。

「さ、行くわよ。」

「ま、待ってくれよリノン。俺まだ靴はいてな・・・」

こそこそ・・・こそこそ・・・。非常口に向かってそうっとひざをついて移動する2人。

「よっしゃ〜・・・」

ビットが非常口に手をかけた、その時!!

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

「な、なんだぁ?」

「なんだぁじゃないでしょ!!
早く出るの!!」

強盗達は抜け目無く、ドアに警報装置をつけていたようだ。

「こ、こら!まてお前ら!!」

「待てと言われて待つやつがいるか!!」

強盗の制止にそう言い残し、ビットとリノンはゾイドの元へ走った。

「ライガー!!」

「ガンスナイパー!」

2人は自らの相棒ゾイドに飛び乗った。
大きく咆えるライガーとガンスナイパー。

「よっしゃ!こうなりゃこっちのもんだぜ!!」

「さて、強盗は・・・あれ?どこ?」

リノンがモニター越しに自分達が出てきた非常口を目をこらして見張るが、
出てくるのは混乱に乗じて逃げ出してきたお客さんばかり。
強盗の姿は見えない。

「お前ら、よくもやってくれたな!!」

「は?」

「ビット、あそこ!」

パーツ屋のゾイド置き場に、五体のヘルディガンナー。
それが次々身震いし、こっちへ向かってくる。

「ふ〜ん、強盗の皆さんもゾイド持ってたんだ。」

「ふ〜ん、じゃないでしょビット!さっさと強盗を成敗しないと・・・!」

ビットとリノンがそうこうしているうちに、
ヘルディガンナーは背中のロングレンジアサルトビーム砲の照準を、ライガーゼロにあわせた。
そして、発射。

どかんっ!どかどかんっ!

「な、なにぃぃ?!」

ヘルディガンナーはビーム砲を発射する事叶わず、
ライガーゼロの後ろから発射されたミサイルによって、再起不能になってしまった。

「くそっ!どこのどいつだ!!」

強盗のリーダーは、コンソールを叩いて怒鳴った。

「お前らこそ、ここまでやっといてただで済むとおもってたんじゃないだろうな!!」

「そうだそうだ!」

コマンドウルフにシールドライガー、イグアンやモルガ、なにやらいろいろなゾイドがが集まってきて、
強盗達のヘルディガンナーの周りをかこんだ。

「お、お前達・・・」

「いつの間に?!」

とらわれていた人質達。
彼らが、それぞれの相棒ゾイドに乗りこみ、
自分達をかこんでい事を知り、青ざめる強盗達。

「成敗だーっ!」

「地獄に落ちろーっ!」

どか!ばき!ぐしゃ!どっかーん!!

「ぎゃー!!」

強盗達とヘルディガンナーは袋叩きにされた・・・・。
だが、

「なんだか面白そう!私もやる〜!!
ウィーゼルユニット・フルバーストっ!!」

「ば、バカリノン!そんな事したら・・・!!」

ビットの制止も間に合わず・・・。

ひゅ〜るるるるる・・・どかどかどっかーん!!

リノンのガンスナイパー、ミサイル、バルカンなど武装の全弾が降り注ぐ。
それは強盗と共に、周りのお客達のゾイドまで巻き込んで爆発したのだった・・・。

「えへへ・・・ちょっとやりすぎちゃった?」

「っていうか・・・そう言う問題じゃないだろ・・・?これって・・・」

ガンスナイパーの攻撃でめためたになったあたり一面を見渡して、ため息をつくビットだった・・・。

 

*    *    *    *    *   *   *   *    *    *    *    *   *

 

「えええ〜?!パパ、どういう事よ!一ヶ月バトル出場禁止とお小遣いなしって?!」

「当然だろう・・・。
お店のゾイド置き場をめちゃくちゃにした上に、
なんの関係もない人達やゾイドまで傷つけたりしたんだからな・・・。」

事件の後、リノンは自分に申し渡された処分が不服なのか、父に詰め寄っていた。
トロス博士はそんな娘の方を見ようともせずに、プラモの組みたてに夢中になっている。

「あれはやりすぎっていう次元じゃないよなぁ・・・」

おやつの特大ドーナツを食べながら呟くビット。

「ゾイドバトル連盟にまで抗議がきたそうじゃないか。」

コーヒーを飲みつつ苦笑いするバラッド。

「チームブリッツ全体じゃなくて、リノンさんだけにおとがめがいってほんと良かったですよ〜。
そうでなくても家計が苦しいのに・・・。
これでますます火の車ですぅ〜。」

ジェミーはモニターの前でため息をついた。

「も〜!!なによ、みんなして!」

リノンがぷんすか怒っているところに、通信が入る。

「ハーイマイハニー、元気にしてたかい?」

「ハリー?なんの用よ!!」

機嫌が悪いので、恐い顔でモニターにつめよるリノン。

「どうしたんだよマイハニー。
可愛い顔が台無しだよ。」

「あら、可愛い顔だなんて〜♪そんな本当の事を〜♪
で、用はなんなの?ハリー。」

ハリーが顔を引きつらせて言った言葉が功を奏したようだ。
とたんににっこり笑顔になるリノン。

「この前強盗事件に巻き込まれて人質になっちゃったんだろ?
あの時爆発騒ぎがあったって聞いたけど・・・。
怪我とかしなかったかい?」

心配そうな顔で聞くハリー。
爆発騒ぎとは、勿論リノンのアレの事を言っているのだろう。

「あ、あら、あんなのでこのリノン様が怪我すると思って?
ぜんぜん大丈夫だったわよ。
それよりハリー、あんたあの時現場に来たわよね?
何しにきたの?」

顔を引きつらせ、慌てて話題を変えるリノン。

「あ・・・。それについては博士とお話が・・・。」

「パパと?まぁいいけど。
私ガンスナイパーの調子でも見にいってくるわ。」

頭を掻きつつリノンにお願いするハリー。
リノンは部屋から出て行った。

「は、博士・・・。リノンとデートさせてもらえませんかね・・・。」

「ん〜?なんか言ったかね〜?」

プラモのパーツをはめ込みつつ、ハリーに返事するトロス博士。

「俺が行った時には・・・もうリノン助かってたし・・・。
強盗達はもう逮捕されてたし…。
一体何がなんだか・・・。
リノンもなにも言ってくれないし・・・。」

「ん〜、君は少し反応が遅かったようだね〜。
では、この件はこれで終わりという事で。」

そっぽを向いて、モニターのスイッチに手を伸ばす博士。

「あ、博士!
ちょ、ちょっとまって下さぁ〜い!!」

ぷつっ・・・。

ハリーの叫びも全然気にせずに、スイッチを切る博士。
元通りプラモ作りに没頭する。
そんな様子を見ていたビット、バラッド、ジェミーは、

「博士って、悪人だよな・・・。」

「もしかしたら、B.D団より悪人かもしれないですね・・・。」

「同感だ。」

そう囁きあってため息をついたという・・・。

 


雷矢さんに頂きました、リノビ小説です。
果たして彼らはノーマルカップリングといえるのでしょうか?
ちょっとそんな事を思った今日この頃。
うちの「/0」のキャラはZi学園で活躍中ですが、
ビットは主役にはなれそうにもありませんね。
(だって、バンがいるし・・・。)
しかし、トロス博士も人が悪い・・・。
ハリーを利用するし、しかも報酬はないし・・・。
今回の一番の被害者って彼なのでは・・・。
とりあえず、ハリーに幸あれ。
あと、ビットとリノンがくっつきますように。
あ、これじゃあ、ハリーに幸せは来ないか。(荷電粒子砲)
雷矢さん、ありがとうございました〜。

 

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