「始業式」
ここは銀河の彼方にある惑星Zi。
この星には「ゾイド」と呼ばれる金属生命体が住んでいて、
人々はゾイドを改造し「ゾイドバトル」と呼ばれるゲームを楽しんでいた。
ゾイドバトルは大人から子供までゾイドを駆れる者なら誰でも楽しむことが出来る。
そして彼らゾイド乗りは共通の夢を持っている。
それは1年に1度行われる「ゾイドバトルトーナメント」に出場し、
ゾイド乗りのトップと言われている「ゾイドマスター」になることだ。
この物語はそんな彼らの夢を描いた者である。
ある朝、主人公のバン・フライハイトが目を覚ました。
そして隣に置いてあった目覚まし時計を見ると、
「ひぇぇーー、遅刻だ!急ぐぞ、ジーク!」
「キュイ。(分かったから早く服を着てよ、バン)」
バンは飛び起きると慌てて掛けてあった服を着る。
彼の相棒でオーガノイドのジークは呆れながら彼の様子を見ている。
ちなみに彼の通うZi学園は制服が無く、私服で登校なのだ。
「キュ、キュイ!(バン、服が裏返ってるよ)」
ジークの言葉で服の裏返しに気付いたバンは、
「嘘ー!」と叫びながらも何とか服を正しく着ることが出来た。
そして、いつも通りに彼の愛機、ブレードライガーの元に向かう。
バンの家のすぐ側にブレードライガーは置いてある。
その下でバンの名前を呼ぶ者がいた。
彼の幼なじみのフィーネである。
「バァーン!早く、早く。」
「ごめんごめん、フィーネ。寝坊しちまって。」
「キュイ。(おはよう、フィーネ)」
「おはよう、ジーク。」
「さあ、早く行こうぜ。」
「うん。」
会話が終わり2人はブレードライガーに乗り込む。
ジークが合体して、ライガーが雄叫びを上げた。
「よしっ、飛ばすぞ。」
「早く行かないと、始業式が始まっちゃうわ。」
「わかってるって。行くぜ、ジーク!」
「キュイ。(O.K.)」
そしてライガーが走り出し、
すぐにブースターを点火したのであっという間に最高スピードになった。
出発して2、3分後、フィーネがあるものを見つけた。
「バン、アレって・・・。」
「あれっ?ライトニングサイクスじゃん。てことはアーバインか。」
ライガーの前方を走っていたのは、
体育教師アーバインの乗るライトニングサイクス。
どうやら彼も遅刻らしい。
「よっ、アーバイン。」
アーバインの方もライガーに気付いたようだ。
「あっ、バン。」
「教師が遅刻していいのかよ。」
「うるせー。大きな声を出すなよ。
昨日ハーマン達に連れ回されて、さんざん酒を飲まされたんだから、
二日酔いで頭が痛てーんだよ。」
フィーネが心配そうに声を掛ける。
「大丈夫なの?」
「まあな。
それより、お前らの担任が俺になったからな。」
「本当か、それ。」
バンが驚いて聞き返す。
どうやら喜んでいるみたいだ。
「ああ、ハーマンに頼み込んでな。
よろしくな、バン、フィーネ。」
「こちらこそ。」
「こっちもだ。」
「キュイ。(よかったね)」
バン、フィーネ、ジークがそれぞれ言った。
「さてと、じゃあ俺は先に行くぜ。
いくぜ相棒!」
アーバインがそういうとサイクスが鳴き声で答えてスピードを上げる。
みるみる離されていったので、
「さっすが、最速ゾイド。」
バンがそう言って関心していたとか。
バン達がアーバインと別れて数分後、ようやく学園に着いた。
「ふぅ〜、ぎりぎりセーフ。」
「危なかったわね。」
そういってバン達は新しいクラスの列に並ぶ。
先頭に立っていたアーバインは、
二日酔いの状態でサイクスの最高速度を出したので、もうフラフラ。
ルイーズ理事長や校長、教頭の挨拶、新しいクラスの発表などを終え、
バン達は自分たちの教室へと行った。
教室に入ったバンは席に座り、辺りを見回す。
「えっと、クラスメートは・・・トーマがいるなぁ。
それに・・・、ローザに・・・、
げっ、あれは・・・。」
「間違いない、レイヴンとリーゼね。」
バンの視線の先にはレイヴンという黒髪の青年と、
リーゼという青い髪の少女がいた。
レイヴンはゾイドバトルでバンに負けて以来、
ことあるごとにバンに突っかかってくる。
リーゼはレイヴンの幼なじみで、二人とも1年の頃に転入してきた。
リーゼは相当のいたずら好きだがフィーネとは仲がいい。
よくローザと三人でお茶会を開いている。
その時レイヴン達がバン達に気付いた。
「やぁ、バン。まさかお前と同じクラスだったとは思ってもいなかったよ。
今度こそ決着をつけてやるからな。」
「はいはい、そのセリフは聞き飽きました。」
バン達がそんな話しているときにフィーネ達は、
ローザも交えてのんきにお茶会の打ち合わせをしている。
こうしてバンの新学期がスタートした。
初めて書いたゾイド小説、どうだったでしょうか。
今後の展開にこうご期待。
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