「Zi学園の体育祭〜昼食での作戦会議〜」
ただいま昼食中・・・
「あっ、トーマ!俺の卵焼き取りやがったな!」
「うるさい、フィーネさんが作ってくれたんだ!独り占めは許さん!俺にも食わせろ!」
「この弁当は俺んだぁ〜!」
「まあまあ、二人とも。」
「キュイイ。(ケンカしないで。)」
バンとトーマがフィーネの弁当を取り合って、
フィーネとジークがそれを止めているという、
端から見れば、ガキのケンカである。
もっともトーマは腹いせにやっているとしか思えなかったが。
その隣で・・・
「レイヴン、あ〜ん。」
「よせリーゼ。恥ずかしい。」
「照れないの、ほ・ら。」
「・・・分かったよ。」
レイヴンとリーゼが仲良くお弁当を食べている光景があった。
こっちはラブラブのカップルに見える。
その横では、シャドーとスペキュラーがそんな二人の様子を見つめていた。
しかし、レイヴンは最近のリーゼの様子に戸惑っていた。
そう、リーゼの様子が変わったのは、
ちょうど彼女が風邪で寝込んだときからである。
最初は「まだ熱があるのか」と思ったレイヴンだったが、
それがずっと続いたので、スペキュラーに尋ねる始末だった。
ちなみにルドルフ・メリーアン・ローザは、
ロッソとヴィオーラの警備員二人組と一緒に昼食を食べていた。
もっとも無事に済むはずもなく、
「ルドルフ様、あ〜ん」
「メリーアン、いったい何のまねですか?」
「我々もリーゼさん達に負けられませんわ。さあ。」
「何を競ってるんですか〜。勘弁して下さ〜い!」
そう言いながら、ルドルフは逃げ出した。メリーアンもその後を追いかける。
そんな二人をローザ達は笑いながら見ていた。
やがて昼食も食べ終わり、
生徒達は午後からのゾイド競技に向けて、入念な打ち合わせをしていた。
「さてと、作戦会議を始めるか。」
「ジーク達の情報によると、やっぱりデススティンガーがいたって。」
フィーネの報告に一同は暗くなった。
「まさかゾイドバトルで使わないよな。」
「大丈夫。ちゃんと、話はつけてある。大船に乗ったつもりでいろ。」
そう自信ありげに話すトーマに、
「せいぜい沈まないようにな。」
とレイヴンがきつい一言。
「しかし、何処から情報を仕入れてきたんだ。あいつら。」
バンの質問にリーゼが、
「なんか、アンビエントに聞いたって。」
『はぁ?』
男性陣が間の抜けた声を上げた。それも当然だ。
なんたって、相手から直接情報を聞き出しているのだから。
「おいおい、信憑性はあるのか、その情報。」
「大丈夫。ヒルツには内緒らしいから。」
フィーネの言葉に、
「じゃあ、大丈夫ですね。」
と鼻の下を伸ばして言うトーマ。そんなトーマを見て、
「そんなに簡単に信用するな。」
「そうよ。フィーネにばっかりデレデレしちゃってさ。」
レイヴンとローザに言われ、
「ローザさん。そんな事言わないで下さいよ。」
と、ローザだけに謝るトーマ。
「こいつ、ローザのことも好きなのかな?」
「ただ、女に弱いだけだと思いますけど。」
「どうでもいいが、俺のことを無視するな!」
と、こそこそ話しているバン・ルドルフ・レイヴンだった。
と、その時、
「生徒、教職員の方々に連絡します。午後の競技が始まります。
ゾイドを中央広場に集結させて下さい。」
『ええ〜ぇ!!』
全員が一斉に叫んだ。
「何も話して無いぞ。」
「ええい、とにかく行くぞ。」
バン・トーマを先頭にみんなが競技場に向かった。
そして、リーゼが不気味な笑みを浮かべているのに、気付いたものはいなかった。
続く
なんか、まだ続いちゃってるし。
それにタイトルも変わっちゃって・・・。
でも、このサイトは常に「SELFISH」なんで許して下さい。
後、何かトーマとローザがいい感じになっちゃいましたね。
新しいカップルの誕生かも・・・。
そろそろ師匠が呼んでいるので、では。