「Zi学園の体育祭〜ゾイド競技〜

 第4競技・ゾイドリレー

「さあ、いよいよ後半戦だ〜!まずはゾイドのリレーです。
この競技はそれぞれゾイドでそれぞれ3qの距離を走ってもらいます。」

「これもこのZi学園だけの競技ですね。」

「さあ、選手の紹介だ!まずは教師チーム。
1番手はシュバルツの駆る、シールドライガーのライバル・セイバータイガー、
2番手はハーマンの駆る、青い疾風・シールドライガー、
3番手はオコーネルの駆る、・・・え〜、まぁいいや。コマンドウルフ、
そしてアンカーはアーバインの駆る、最高速ゾイド・ライトニングサイクス。」

その瞬間、コマンドウルフは転けた。

「続いては生徒チーム。
1番手はバンの駆る、俊足の刃・ブレードライガー、
2番手はレイヴンの駆る、機動力bPの虐殺破壊龍・ジェノブレイカー、
3番手は驚異の新人・ルドルフの駆る、セイバータイガー、
そしてこちらのアンカーは生徒会長・トーマの駆る、鋼鉄の野牛・ディバイソン。」

ゾイドがそれぞれのポジションに着いた。
すると、リーゼがオーガノイド達に指示を出す。

「ジークとシャドーはいつも通りブレードライガーとジェノブレイカーに、
スペキュラーは補助としてセイバータイガーに合体して。」

「キュイ。(O.K.)

「グルルル。(まかしとけ!)

「グルル。(わかったよ。)」

そう言って、オーガノイド達は言われたとおり合体した。
もっとも、スペキュラーは嫌々だったが。
 その頃、教師チームは、

「やれやれ。あいつら、やっぱりオーガノイドを使ってきたな。」

「どうする。」

「このままじゃ、勝てんな。」

アーバイン、ハーマン、シュバルツが作戦を練っていた。

「私に考えがある。」

「おわぁ〜!ヒルツ〜!」

アーバインが絶叫した。
それもそのはず、いきなりヒルツが後ろから声をかけたのだから。
それも、すぐ背後で。

「で、考えとは?」

オコーネルが聞いた。

「ふふっ、簡単なことだ。目には目をってね。」

そのチーム内でヒルツの不気味な笑いが響いた。
そして、

「さぁ、いよいよレースのスタートだぁ〜。」

すると、突然ヒルツのオーガノイド・アンビエントが、
コマンドウルフに合体した。

『何だって〜!』

男子生徒が一斉に叫んだ。

「リーゼ、大丈夫なの?」

「このままじゃ・・・。」

フィーネとローザが不安げに言っている。だが、

「大丈夫、ちゃんと考えてある。とっておきのがね・・・。」

そう言うと、リーゼは通信機を取り出し、誰かに連絡を取った。

「位置について、よーい・・・スタート。」

ディの合図でブレードライガーとセイバータイガーがスタートした。
ライガーはスタート直後にブースターを点火させ、一気にセイバーの差を広げた。

「さすがはブレードライガー!いきなりの加速で差を一気に広げた!」

そしてバンは2qほど走ると、ジェノブレイカーとシールドライガーが見えた。

「よし、見えた!ジーク、最高スピードで行くぜ!」

「キュイ。(了解!)」

ライガーは残り1qで、さらに飛ばした。

「レイヴン、いくぜ!」

「こっちは準備万端だ。とっとと来い!」

ジェノブレイカーはライガーがタッチすると、
ブースター全開で次のルドルフのところに向かった。

「シャドー、本気を出せ!」

「グルルル。(分かってるって。)」

そして、ジェノブレイカーの頭の角が降りた。
その頃、教師チームはやっとシールドが走り出した。

「まいったな〜。このままじゃ追い付けん。」

ハーマンの声もむなしく、
ジェノブレイカーはもうすぐルドルフのセイバーにタッチするところだった。
だが、

「おいっ、レイヴン!何かスピードが落ちてないか?」

バンの声でレイヴンは気付いた。確かにさっきよりスピードが落ちている。

「シャドー、どうした。」

「グルル、グルルル。(レイヴン、もう・・・ダメ・・・。)」

「ダメって・・・シャドー、離れるんだ!早く!」

シャドーはジェノブレイカーとの合体を解いた。
その瞬間、ジェノブレイカーは急激に失速した。

「どうなってるんだ、一体?まだ2分も経ってないぞ!」

「実は、・・・さっき細工する資材を運ぶとき、
レイヴンに内緒でシャドーとジェノブレイカーを使っちゃって・・・。それで・・・」

「制限時間が来ちゃったって訳?」

ローザの言葉にリーゼは頷いた。
そしてリーゼは、『このアホ〜っ!』とチーム全員から言われてしまった。
結局、ハーマンとの距離はわずか500mに縮まってしまい、
ルドルフはアンビエント搭載のコマンドウルフと競う羽目になった。

「アンビエントVSスペキュラーか。」

「どっちが有利かしら?」

「機体の性能も考えても、ややアンビエントってところね。」

バン、フィーネ、リーゼが応援席で話していた。
だが、何故バンがそこにいるのかという疑問を持つものはいなかった。
そして、ルドルフのセイバーが走った。その後にすぐコマンドウルフも走り出した。
結果は互角だったが、差が少し縮まっていた。

「さあ、アンカーはディバイソンとライトニングサイクスだぁ!」

「まずい、もうダメか?」

「勝てっこないわよ。」

チーム全員が諦めていたその時だった。
突然、リーゼが審判のディに向かって叫んだ。

「審判、選手交代!トーマとディバイソンに変わって、
ビット・クラウドとライガーゼロ・イエーガー!」

すると、ディバイソンが横に行き、
代わりに青いパーツを付けたライガーゼロが現れた。

「おっと、これは意外!まさかの卒業生の助っ人だぁ!」

「何だって〜!」

ムンベイは実況席から飛び出しそうな勢いで、
アーバインはさっきとは比較にならないほどの驚きようで、
それぞれ叫んだ。

「いくぜ、ライガー!」

セイバーがタッチし、ライガーゼロが雄叫びを上げて走り出した。
そして、すぐに背中のイオンブースターが点火する。

「ちっ、こうなりゃやるしかねえな。いくぜ、相棒!」

サイクスも雄叫びを上げ、背中のブースターを付けて猛スピードで走り出す。

「2体共かなりのデットヒートだ!」

「面白くなってきましたねぇ。」

どっちも抜きつ抜かれつの攻防を繰り返していた。

「いっけぇ、ライガー!」

「ゾクゾクするぜ。俺が待っていたのはこれだ!」

アーバインは完全にジャック・シスコとなっていた。
そして、

ゴーーーーール!どっちが勝ったのかVTR判定だ。!」

中央モニターにスローモーションでゴールシーンが映し出された。

「結果は・・・わずかにライガーゼロの方が先だ!ウィナー、生徒チーム!」

『よっしゃ。』

『やった、やったぁ!』

生徒チームはかなりの喜びよう。
だが、

「おい、じじい!助っ人なんてありか!」

アーバインがディにすごい剣幕で迫っていた。

「別に禁止はしとらんし、登録もされていたからなぁ。」

「何だと〜!」

 

その頃、

「はい、約束の物。」

「確かに。じゃあ、またな!」

ビットはリーゼから何か大きな物をを受け取り、
ライガーゼロに乗って会場を後にした。

「リーゼ、何渡したの?」

「ちょっとねぇ。」

そう言ってリーゼは会場に戻っていった。フィーネもその後を追った。
後にシュバルツは、スピードを出すために外して置いたガトリング砲が、
無くなっているのに気付いたという。

「さあて、続いては綱引きです。」

「実況はここで私、キースとサンダーが送りします。」

「キュイ。(よろしく。)」

ムンベイは足早に自分のグスタフへと向かう。
そして、デススティンガーが密かに会場に向かっていた。

続く


何かいろいろと出て来ちゃったなぁ。
ビットやらキースやらサンダーまで。
一体どうなることやら。

 

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