「Zi学園の体育祭〜夕暮れの決戦〜

 第七競技 ゾイドバトル

 ここはいつも部が使っているゾイド闘技場。
辺りはすっかり夕暮れとなり、決戦にはもってこいの舞台となった。

「さあ、いよいよ最終戦。
このまま逃げ切るか、生徒チーム。
それとも大逆転を見せるか、教師チーム。
さあ、選手入場だぁ〜!
青コーナー、全てを切り裂く百戦錬磨の獣王、
ゾイドバトル部の部長、バンが駆るブレードライガー!」

颯爽とライガーがバトル場に登場した。
その瞬間、歓声が湧き起こる。

「バン、頑張って!」

フィーネの声援にバンは照れた。

「続いて赤コーナー、大地を駆けるスピードの帝王、
教師の中で人気bP、アーバインの駆るライトニングサイクス!」

咆吼と共にライトニングサイクスも登場した。
完成が再び湧き起こる。

「アーバイン、しっかり!」

ムンベイの声援にとりあえず反応するアーバイン。
無視すると、後が怖い。

「アーバインが相手か。相手にとって不足はないぜ。」

「手加減は無しだぞ、バン。」

「ああ、分かってるって。」

「さあ、両者準備はいいですか?
審判はこの方です。
観客の皆さんは衝撃にお備え下さい。
ジャッジマーーーーン!」

キースの実況と共に上空からジャッジカプセルが落ちた。
カプセルが開き、ジャッジマン登場。

「フィールド内、スキャン終了。
バトルフィールド、セットアップ。
バン・フライハイトVSアーバイン、
バトルモード0992、レディー・・・ファイト!」

ゴングが鳴り、試合が始まった。
まず先手を取ったのはバン。
2連カノン砲を撃つが、簡単に避けられた。
サイクスは持ち前の駿足で一気にライガーとの距離を離す。
ライガーも後を追うが、どんどん離されていく。

「そんな遅さじゃあ、勝てねえぜ。」

「なら、これでどうだ。ブースターオン!」

ライガーの背中のブースターが点火する。
どんどん差を詰めるが、

「だったら、こいつはどうかな。」

サイクスは急に反転し、パルスレーザーを撃ちながらライガーに向かっていった。

「まずい、避けられない。」

バンは手元のスイッチを押し、シールドを展開させて、レーザーから身を守った。
サイクスはそのままライガーの横をすり抜ける。

「反転が遅いぜ!」

サイクスはまた反転し、ライガーの後方からレーザーを撃つ。
今度のは流石に避けられず、まともに喰らってしまった。

「うわぁ!流石に機動性が高いなぁ。
こうなったら先輩からもらったやつを使うか。」

バンはライガーを反転させると、サイクスに向かって走り始めた。

「いくぜ、アタックブースターオン!」

さっき取り付けたアタックブースターを点火させた。
サイクスはライガーに背中を向けてまた走り出したが、
今度は横に並ばれて、なおも追い抜かされそうな勢いだった。

「振り切れない。だったらこっちも本気を出すぜ、相棒!」

アーバインは座席横のスイッチを押して、背中のブースターをつけた。
すると、サイクスは残像を残して加速し始めた。

「あっちも本領発揮ってところか。
ジーク、こっちも本気でいくぞ!」

「キュイ。(O.K.)」

再び背中のブースターをつけると、ライガーはサイクスの後を追った。

「両者、一直線に並んだ!
かなり白熱したバトルになってきたぞ!」

まるで競争をしているかのように、抜いては抜き返すの繰り返しだった。
だが、突然ライガーが失速した。

「アタックブースター強制排除!」

そして、アタックブースターを取り外した。

「どうしたんだ、バン!これからだろうが!」

「アーバイン、前方不注意って知ってるか。」

「何だって、・・・うわぁ〜!」

アーバインが前を見ると、そこには巨大な岩山があった。
サイクスは反転しながら失速し、岩のすぐ手前で止まった。

「今だ、ジーク!ブレードアタックだ!」

ライガーはブレードを展開して、そのままサイクスに突っ込んだ。
サイクスはすぐに避けようとしたが、
時すでに遅く、ライガーのブレードがサイクスの背中の砲塔を切り裂いた。
サイクスはその場に崩れる。
ライガーは切り裂いた後、岩山を蹴ってサイクスの隣に着地した。

「ふぅ〜、もうちょっとで激突するところだったぜ。」

「キュイ、キュイ。(危なかったね。)」

「バトルオールオーバー、バトルオールオーバー!
ウィナー、ブレードライガー!」

ジャッジマンがライガーの勝ち名乗りを上げると、
生徒達は一斉にバンに駆け寄った。

「バーーン!」

「フィーネ!」

まずはフィーネがバンの胸に飛び込んだ。
そして、今度はトーマが、

「バン、よくやったぞ!俺は今、猛烈に感動しているーーー!
お前とフィーネさんの愛にメガロマックスーーーー!」

と涙を流しながら一人で絶叫していた。
相当感動しているようだ。

「バン、やりましたね。これで僕たち、優勝ですよ!」

「私も嬉しゅうございますわ〜!」

ルドルフとメリーアンも駆けつけた。

「バン、それでこそ俺のライバルだ。」

「これで僕の努力が報われたわけだ。うんうん。」

『うんうん、じゃないだろーー!
誰の性で苦戦したと思ってるんだーー!』

バン、レイヴン、トーマにそう言われて、リーゼは申し訳なさそうにしていた。

「まあまあ、勝てたからいいじゃない。」

ローザが止めにはいると、トーマだけがデレデレして態度を豹変させた。
みんなは呆れてそれを見ている。

「さて、生徒チームの皆さん。
理事長から金一封のご褒美です。」

「皆さん、優勝おめでとうございます。
これをぜひ役立てて下さいね。」

「では、代表として、バン・フライハイト君が受け取って下さい。」

バンは理事長の前に出て、封筒を受け取った。
みんなの下に戻ると、
早速、使い道をどうするかを決めることに。

「そうだな、まず整備工場を一新して・・・ん〜っ、おい、他に何かあるか?」

トーマがみんなに聞く。するとリーゼが、

「じゃあ、打ち上げの費用にしようよ!」

『さんせ〜い!』

「先輩達も行きましょうよ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

「行くとするか。」

フィーネの誘いにビットとバラッドが返事をした。

「じゃあ、先行ってて。私、お姉ちゃん達呼んでくるから。」

と言ってローザはヴィオーラ達の下に向かった。

「そういや、リノンさんは?」

「ああ、何か用事があるから、先に行っててくれだとよ。」

「じゃあ、行こうぜ。」

バンの一言でみんなは打ち上げ会場である部室へと向かった。
その頃、教師達は・・・、

「教師の皆さんは中央広場に集まって下さい。」

みんなは暗い顔を引きずりながら、広場へと向かった。
ヒルツだけは平常を保っていたが。

「一体何があるんだ?」

「まっ、ろくな事じゃないと思うが。」

ハーマンとシュバルツがそんなことを離しているうちに、
一同は広場についた。
するとそこには、一辺が15m四方の大きな檻があるのが見えた。

「その中に入って下さい。入らないと、給料50%カットだそうなので。」

キースの指示に渋々従う教師達。
これ以上給料を減らされたら、たまったもんじゃない。

「入ったぞ。で、何が始まるんだ。」

アーバインがふてくされながらそう言う。

「では、発表します。校長からの・・・罰ゲームで〜す。」

『罰ゲームだって〜!』

教師一同絶叫。

「では、リノン。よろしく〜。」

すると、リノンのガンスナイパーが登場した。

「は〜い。じゃあ先生方、いきますよ〜。」

「ま、まさか・・・。」

「ちょっと待て〜!」

「勘弁してくれ〜!」

教師達の叫びもむなしく響くだけだった。

「なお、そこから出ると命の保証はありませんので。」

キースが注意をあっさりと言う。

「ウィーゼルユニットフルバースト!」

リノンはお構いなしに全武器を発射した。
弾やミサイルは檻の半径20m以内には落ちなかったものの、その恐怖は絶大だ。
そしてガンスナイパーが弾切れするまでのおよそ10分間、
この地獄を味わったという。
もっとも彼らにはかなり長く感じたみたいだが。
ちなみに終わった後の彼らの表情は、安堵と恐怖が入り交じっていたという。
後、何故キースは罰を受けなかったかというと、
競技に加わっていなかったからである。

終わり


ふう〜、やっと体育祭編も終わった。
ホントに長かったですねぇ。
最初は2,3話とか言ってたけど、
いざ書いてみるともう6話も続いちゃって。
でも、最後にブレードライガーVSライトニングサイクスという、
夢の対決が書けたので、よかったです。
本当に皆様、長いこと読んでいただいてありがとうございました。
次からは当分の間、1話完結ものになると思いますので、
これからもよろしく〜。

 

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