トト達がリュオン街道に着くと、ある人物を見つける。

「あれっ、真珠姫。
どうしたの、こんなところで。」

街道の入り口には、以前メキブの洞窟で迷子になった真珠姫がいた。

「あっ、トトお兄さま。
あのね・・・私、また迷子になっちゃった。
瑠璃君は何処かなぁ。」

「たぶんまた町で暴れてると思う。」

ボソッとトトが発した一言に真珠姫は反応した。

「えっ、じゃあ早く町に行かなきゃ。じゃあね、お兄さま。」

そう言うと真珠姫はそのままドミナの町の方向へ行った。

「誰だにゃ、あの娘は。」

「以前・・・、ちょっとね。」

トトは苦笑いをしてニキータにそう話す。

 

 2人はそのまま、ニキータの言う盗賊が出る地点に向かう。
途中モンスターも出たが、ニキータが格闘技を使えたこと、
メキブの洞窟ほど強いモンスターがいなかったこともあって難なく進むことができた。
トト達がしばらく進むと、分かれ道がいくつもがあった。
この街道は4都市につながる道の他に、
洞窟や行き止まりも多く慣れた者でないと道に迷うことが多い。
先ほどの真珠姫がその良い例だ。
彼の場合、この街道を通い慣れているニキータがいたため、トトは迷わずに進めた。
その途中、トトはネコの獣人の少女を見かける。
何か迷っているみたいなのでトトは声をかけた。

「どうかしたの?」

トトの声に気付き、その女の子がトトの方を振り向く。

「いえ、ちょっと道に迷ってしまって・・・。
ねぇ、あなた、賢人のことを聞いたことがある。
私はその人に会いに来たのだけど。」

「いいや、知らないにゃ。」

「賢人の噂だったら聞いたことがあるなぁ。
確かマナの七賢人って言われていて、その一人がこの街道にいるって。
でも何処にいるかまではちょっと・・・。」

「そう、ありがとう。
やっぱりドミナの町に戻るする事にするわ。
あっ、自己紹介が遅れたわね。
私はダナエ。ガトの町から来たの。」

「俺はトト、こっちはニキータ。」

トトがニキータを指さすと、ニキータはぺこりと頭を下げた。

「そう、じゃトトさん、ニキータさん。
さようなら。」

そういってダナエはドミナの町の方向へ歩いていった。
ふと、トトがニキータの顔を見ると、

「かわいい娘だったにゃ〜。」

そういいながら顔がにやけている。
呆れ顔でトトはニキータに声をかけた。

「ニキータ、・・・そろそろ行くぞ。」

「あっ、・・・わ、わかったにゃ。」

ニキータは我に返ると、そう言って歩を進めようとした。
そのとき、

「トト〜!!」

突然、女の声でこう叫ばれたので、トトは驚いて後ろを振り返る。

「はぁ〜、やっと追いついた。
もう、一言言ってくれればいいのに。」

「どうしてお前がいるんだよ、ティアラ。」

そう、声の主はティアラだった。

「知り合いにゃのか。」

「ああ、幼なじみのティアラだ。」

ごく簡単にティアラを紹介するトト。
その顔はまたもや呆れ顔。

「ふぅ〜ん。
おいらは旅の商人をしているニキータだにゃ。
よろしくにゃ。」

「こちらこそよろしく、ニキータさん。」

ティアラとニキータはそれぞれそう言って握手をした。

「それで、どうしてここが・・・。」

「コロナちゃんに聞いたの。
街道に盗賊退治に行ったってね。」

「あのおしゃべり・・・。」

トトはティアラを危ない目に遭わせたくなかったのだが、
これ以上言っても無駄だと分かっていたので同行を許す事に。

 

 しばらくしてトト達3人は広い平野についた。
すると、突然近くにあった草むらから二体の弓を持ったモンスターが現れた。
間違いなくポロンである。

「金を出せ!出せ!出せ!出せ!出せ!出せ!出せぇーーーーー!」

かなりの大声でそう叫びまくる。
トトはそれにムカついたのか、

「これでも食ってろ!」

そう言って持っていたあめ玉を思いっきりポロンに投げつける。
あめはポロンの顔に見事に当たり一匹はその場に崩れた。

「あっ、兄貴。
よくもやりあがったな!」

一匹が倒されたことに腹を立てたので、
もう一匹が弓を構える。

「あなたはこれで十分だわ。スターダストスロー!!」

ティアラがとっさに槍を投げつけて弓と矢をを落とした。

「こいつら金の亡者だにゃ。
許せないにゃ。」

さっきの恨みもあるのだろう。
ニキータがにじり寄った。

「先生ー、出番です!
のしちまって下さいーーーーー!!」

ポロンが叫ぶと何かが飛んでくる音がした。

「何にゃ、この音。」

「何かが飛んでる見たいだけど・・・。」

3人が必死になって音の正体を探っていると、
ティアラが空を指さして叫ぶ。

「トト、あれ!」

2人は指さされた場所を見ると、巨大な虫が飛んでくるのが見えた。

「いったい、何なんにゃ、あれは!!」

「げっ、マンティスアントじゃね〜か。」

マンティスアントと呼ばれる巨大な虫はトトたちのの目の前に着地した。
その衝撃でポロン達はどこかに吹っ飛ばされてしまう。
マンティスアントはその名の通りカマキリとアリを合わせたようなモンスターで、
体長が4メーターを超えていた。

「また厄介だな。」

「とにかくやるしか無いでしょ。」

「そうだにゃ。」

「ふっ、誰がヤダって言ったんだよ。
いくぜ!」

トトのかけ声とともに全員が一斉に飛びかかった。
マンティスアントは手の鎌で斬りかかったが、トト達は簡単によける。
そしてトトが背中に斬りつけた。

「かってぇーーー!さっすが昆虫だな。」

だが、鈍い音を立てて弾かれてしまう。

「関心してる場合じゃないでしょ。
とにかく急所を見つけないと。」

「二人とも危ないにゃ。」

ニキータが叫んだのでトト達が見ると、マンティスアントが何かを口から吐いた。
2人はとっさによける。
その液がかかった地面は溶けていた。

「溶解液まで吐くなんて、ますます手がつけられないわ。」

ティアラがマンティスアントを睨みながらそう呟く。
トトがあることに気が付いた。

「あいつの急所を見つけたぜ。
奴の口と腹だ。
ティアラ、あいつが溶解液を吐く瞬間にスターダストスローをお見舞いしてやれ。
ニキータと俺で腹に総攻撃をかける。」

「わかったにゃ。」

「O.K.」

そういっている隙にマンティスアントはまた溶解液を吐こうと口を開けた。

「今だわ。
スターダストスロー!!」

ティアラはそう言ってマンティスアントの口の中に槍を投げ込んだ。
槍は見事に口を射抜き、マンティスアントは悶え苦しむ。

「今だぜ、ニキータ。」

「これを食らうにゃ。
いなづまキィィーーーック!!」

ニキータは高く飛び上がって、マンティスアントの腹めがけて必殺のキックを繰り出す。
ティアラの一撃を食らっていたので、マンティスアントは動けずにニキータの一撃をもろに食らった。
マンティスアントは弱ってきたのか反撃すらしてこない。

「とどめは俺だぜ、覚悟はいいな!
スプラッシュブレード!!」

トトの一撃がマンティスアントの腹を切り裂くと、
マンティスアントはとうとう動かなくなった。

「ふぅ〜。やったか。」

「そうみたい。」

「さすが噂に聞いただけのことはあるにゃ。
礼をしなきゃいけないにゃ。
ちょっと待つにゃ。」

そう言うとまたリュックをごそごそあさりだす。

「草ムシまんじゅう・・・ヘバタのタコムシ・・・アダマソナベ・・・
これ普段だったら3000ルクするにゃ。
あんた達は特別に300ルクにまけてあげるにゃ。」

「それは安いわね。買ったわ。」

ティアラはそう言って300ルクをニキータに支払う。

「やった〜。」

喜ぶティアラを後目にトトは、

「ったく、よくあんなもん買うよな。」

とブツブツ言っていた。

「それだけじゃないにゃ。」

そう言ってトトにライオンの顔をかたどったと思われるメダルと、
火が灯っている燭台を渡した。
渋々受け取ったトトだったが、それらを受け取った瞬間何かを感じる。

「そうそう、さっきの車輪もあげるにゃ。
ほんとにいい出会いをしたにゃ。
良き出会い、良き別れ、二人も人生をエンジョイするにゃ。
それじゃアディオスにゃ。」

そう言ってニキータはガトの方向に消えていった。
完全に影が見えなくなるとトトはティアラに話しかける。

「ティアラ、これらもアーティファクトだぜ。」

「ほんとに。」

「ああ、これで俺達のアーティファクトは8個になったな。」

「うん、あと18個、頑張ろうね。」

「ああ。」

二人はそのままドミナの町に戻った。
だが、ドミナの町に戻った二人を待っていたのは、
暴れている瑠璃を止めるという仕事だった。

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サボテン君日記

にきーたといっしょにとうぞくたいじにいったらしい。
にきーたってどんないきものなんだろう。
ちょっときになるきょうこのごろ。

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トトの一言

瑠璃の奴さんざん暴れ回りやがって・・・あ〜疲れた。


いやぁ、こっちも疲れたよ、ほんとに。
これも2ページになっちゃったし・・・。
ちょっと反省してます。

 

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